サラリーマンであることを離れて自分を取り戻したいと思った
私は12月末付けで15年勤務した会社を退職します。現在は有休消化に入っていますが、先のことは何も決めていなかったりします。こういった形で退職することに対して同僚には「勇気があるな~」と言われたものですが、自分の中では「今やめないときっと自分がダメになる」と感じたのです。
サラリーマンを選んだ20代の頃の私がずっと思っていたこと
大学院をろくな功績もなく修士で出た後最初に今の会社に就職して思ったのは、
「ここにずっといたら世界が狭くなる」
でした。平日昼間はずっと工場の中で、多くてたった数十人の人としか話をしない環境。この狭い世界で生きていくのは耐えられないと思ったものでした。
そして最初に配属された部署ではほとんど使い物にならず、早速窓際へ。社命で取ることになった一般計量士の資格のおかげで辛くも居場所は確保するも、やはり社内での居心地がいいものではありませんでした。それでも、新卒で就職してしまった会社。辞めることを想像することはできませんでした。必死にやってきたつもりでしたが、あまり優秀ではなかったと思います。会社の昭和な社風に助けられてなんとかやって来ましたし、仕事が楽しいわけでは決してありませんでした。仕事中は常に眠気にまみれ、バレないようにサボることだけ上手くなっていく毎日。とはいえ基本的に仕事というものは楽しくはないものなのでそんなものだろうと思って日々を過ごしていました。世間の曜日に合わせた5勤2休、8時5時のワンシフトで残業ほぼ無しだったのだけが救いでした。夜勤とか残業必須とか言われたらあっという間に潰れていたと思います。
今までやってきた仕事
今まで私は医薬品製造業で品質保証の仕事をしていました。業務の範囲はかなり広く、一般計量士として計量器の管理をする業務や年間の製造実績を品質的な面からまとめる品質照査の業務、工場内の廃棄物管理や防虫管理、フォークリフトの管理、製品の出荷業務の監督、他社との出荷判定書のやりとりなどあれこれ大きな業務から細かい業務まで様々な業務を担当してきました。また、従業員組合の支部委員などもやっており、
こうした多岐にわたる業務にあたること自体は楽しくできていたのですが、どうも自分はミスが多い(同僚や上司はそんなことは無いと言ってくれるが…)ためだんだんそのことが苦痛になってきました。自分のミスで人に迷惑をかけるたびに苦い気持ちになり、ずっと同じところを堂々巡りしながら地雷を踏まないように祈っているような感覚になっていました。
直接の退職のきっかけをくれた本社の部長
そんな私も40歳を目前にして「生活の中で何に時間を使いたいか」を考えた結果、家事や趣味、家族との時間に比べて仕事の優先度が圧倒的に低かったのです。これは結構衝撃だったのですが、同時に薄々気付いていたことでもありました。
そして決定的だったのが、業務改善のために新しく本社にやってきた部長さんを見たこと。彼は本当に医薬品工場の業務改善をチャレンジングな課題としてやりがいをにじませながら実行しようとしていました。この姿を見たとき、
「自分は絶対にこうはなれない、なぜなら製品がどうなろうが、工場がどうなろうが自分ごとにできない」
と思ってしまったのです。ロールモデルとして完璧に見えるのに絶対にそうはなれない存在。その時はっきりと自覚したのです。「ここでできることはもう無い」、と。
これを確信したのが昨年ぐらいの出来事でした。
就職したら定年までずっといないといけないと思っていたけど
大学院にいた頃から就職した当初までは、定年までずっと新卒で就職した会社にいなければならないと思っていました。周りに中途での退職者があまりいなかったこともありますし、昭和な社風のなせる技なのかもしれません。だから選択肢として「退職」が存在しなかった。
だから世界が狭くなることが怖かった。会社と家の往復で残りの人生を終わりたくなかった。
でも仕事って、辞めても良かったんです。その勇気が出るまで、新しいチャレンジをする決心が付くまでずいぶん時間がかかってしまった。
それと前後してホームを測るようになった
現在noteで書いているホーム長調査をし始めたのは部長と出会い心が折れたのと前後してのことです。一人で広い世界と向き合う感覚がいいですね。登山や祈りにも似ているかもしれません。
願わくばこれを何らかの形でマネタイズできればいいのでしょうが、その手段についてはまだ見当がつきません。ただこの道を進むのはすごく楽しいです。楽しくなければ、努力を努力として認識しない領域までいけなければ、クリエイティブな分野ではとても勝負にならないので、スタートラインにはようやく立ったかなというところです。
もちろんいろんな業務において求められればお役に立ちたいとは思っています。調べたり書いたりするのは得意です。長時間絶え間なく動くのは苦手です。
もうすぐ無職になります
20代の頃には、無職になるなんて想像していませんでした。
当たり前にみんな平日には仕事に行って働いて、休日には家族と出かけたりして。そんなロールモデルしか持っていませんでした。早ければそれこそ子どものうちにでも生き方なんかそれだけじゃないことに気付くことだというのに。
でもこれで自由。何にも属してない。それが嫌だという人もいるけど、私はどうやらそうでないとダメらしい。
気付くのにここまでかかってしまった。
ここから先は自分の失敗は自分だけのもの。それがきっと自分に一番必要なものなんだと思ってます。
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