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自由家になりました

私は、何かに縛られるのが本当に嫌いです。時間・人・暗黙の了解的な、特にもう必要のない昔からの常識など。それなのに無意識に世の中の常識で自分を縛ってしまい、自分を責めて追い詰めてしまう自分のことが嫌でした。私はここまでの短い文章の中で「自分」と3回も言っているぐらい自分のことしか考えていなくて、他人が決めたルールに縛られるのは特に一番嫌いな人間です。でも人といる時は無意識に我慢しているようで、縛られているとは感じません。むしろ楽しくて、人に喜んでもらえると嬉しい気持ちを感じられます。また、仕事などではルールに対して苦手意識があるからなのか、人よりもルールを守ります。ルールを守らず、人に迷惑をかけている人に対しての正義感も人一倍働きます。しかし、一人になってから来るとてつもない疲労感で、自分を縛り我慢していたことに気付くのです。そんな自分すら嫌でした。矛盾が多すぎる毎日に疲れて、自分の心で感じて考えて、その繰り返しの中でいつのまにか楽しむということを忘れて、自分が何に対して楽しいと感じているのかわからなくなっていました。そして最近、もう自分に縛られることすらやめてしまいたい。死んでしまいたいと思い、眠るように死ねる方法を検索していた時に坂口恭平さんの著書、『自分の薬をつくる』と出会いました。無意識に購入していました。その本を読み、自分は躁鬱人であるんだということがわかり、今まで私は長年、「非躁鬱人の感覚が正しいんだ」と思い込み、自分の心を騙し続けて生きていたんだなということに気付いたのです。この時、心の一番深いもやがかっていた部分がはじめて少し晴れた気がしました。しかし、坂口さんが本の中でおっしゃっている通り、「人間はみんな非躁鬱人と思い込んでいるだけで本当は躁鬱人」の人がほとんどなのではないかと思いました。ちょっと言い方は違ったかもしれません。笑『むしろ躁鬱人であることは、人間として健康の証だ』と。坂口さんの本と出会う前、私はライターになってできるだけ自分一人の力で生きて行けるようになろうと勤めていた会社を辞めて、ずっと行きたかったヨーロッパ長期1人旅に行って、その旅の記事を書き、環境を変えて就活をしようという計画を立てていました。しかしコロナウイルスの猛威によって、ヨーロッパ旅はもちろん行けなくなり、今まで感じていた閉塞感から抜け出せるどころかさらに閉塞感を感じる状況になってしまいました。そして感受性が鋭く、共感力が高い性格の私は、コロナにより生活に困っているであろう方々の状況を思い苦しくなってしまい、政府から自粛要請が出てからはもう完全に心が参ってしまい、感情と思考が動くようなことは意識に入れたくなくなるほどの状態になってしまっていました。1週間ぐらい水の中で暮らすか、意識不明になりたい気持ちでした。自分に意識があることが辛くて仕方がなかったです。特に晴れている日が本当に辛く、晴れているだけで絶望感が込み上げて体に力が入らなくなりました。その間もなんとか生きなければならないので、実家で幼い頃にやっていたゲームをしたり、クレヨンで絵を描いたりして、何も考えずに過ごす日々を過ごし、ありがたいことに両親が用意してくれるおいしいものを食べて生活していると自然に回復してきました。ヨーロッパ旅には行けずでしたが、元の計画通り遂行しようと考え、今の環境を変えるため関西の家から関東へ引っ越しをしました。引っ越し後、もりもりやる気が起きるかと思いきや、まさかの以前より憂鬱な気分になることが増え、動くこと、考えることも辛い日々が続きました。人がいろいろなコンテンツで表現しているのを見ると、私も自分を文章でもっと表現したいのに、Twitterでつぶやくことしかできていない。進んでいない。この人は表現に慣れていて羨ましい。そんなことばかり考えてしまっていました。人が大々的に表現している物を見るのが辛かったです。もっと自分の思考や感覚を表現したいのにどうやってすればいいかわからない。書こうとしてもできない。自分にはやはりできないのではないか。そんなことばかり無意識に考えていたからだと思います。そんな時に『自分の薬をつくる』を読んで、不思議な感覚に陥りました。自分が考えていたこと、今やろうとしていること、やりたいことがさらに細かく、気楽な方法で書かれていたからです。恐れ多いですし失礼かもしれないですが、同じ躁鬱人であるからなのか、坂口恭平さんとはお会いしたことがあるような、そんな気がします。笑 もちろん絶対にお会いしたことはないですが、はじめてそんな感覚になりました。坂口さんにはとてつもないヒントをいただきました。背中を押していただきました。密かにお礼を申し上げます。ありがとうございました。そして、私は自由家になることにしました。ただただ自由に生きていく。人と自分を思いやりながら。音楽家・芸術家などの名称はあっても、自由家という職業は聞いたことがありませんでしたので、私がはじめてなってみようと思いました。ということで、今日から自由家になります。

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