おやすみなさい
赤ちゃんがうにょーんと伸びをする。両肩が上がると首がなくなるのだが、それがまた大変にかわいい。最近とみにムチムチとしてきて、健診で体重をはかったら8kgを超えていた。そうだな、抱っこひもが重い気はしてたんだ。
子どもの成長は早い。「どんな風に育てたいか」なんて考えているあいだに、スクスクと育っていく。何を願ってもいいけど、とりあえずちゃんと寝てほしいなあ。図書館から借りてきた雑誌には「日本の子どもは睡眠時間が短い」と書かれていた。
はい。そういえば自分もむかし、不眠に苦しんだ。まったく眠れないことはなかったけど、ベッドに入ってからも2,3時間にわたって眠ることができない。寝返りばかりして、あれこれ考えて、それに疲れてようやく寝る、みたいな毎日だった。
いま思えば、母の影響で飲んでいた大量の紅茶が原因だと思う。母はカフェインにはめっぽう強く、どんなに濃いコーヒーを飲んでも平気で眠れる。てっきり自分もその遺伝を持っていると思っていた。だからガンガン飲んだ。
「どうやら自分の体は、カフェインに弱いらしい」と気づいたのは大人になってからだ。いま10代の、それも前半に戻れるなら、とりあえず紅茶を控えるだろう。不眠の原因は他にもあったかもしれないが、カフェインは確実に響いていたはずだ。
上の文章は、睡眠の改善が課題だと書いたのち、「しかし」と続いている。
たかが睡眠、されど睡眠。朝起きられなくて、学校の開始時刻に悩まれされた自分としては、この話うなずける。朝、本当に起きられないんだよ。高校だけは始業が10時だったから救われたようなものの(そういうところに通っていた)、それ以外はキツかった。
そうか、学校の始業時間って、先生方に合わせられているんだろうか。そんなこと考えたこともなかった。でも、学生の生理的なリズムを考えるなら、もっと開始が遅くてもいいのかもしれない。
朝起きられないのは甘えじゃないし、先生方が早起きなのは、加齢による部分が大きい。だとしたら、少なくとも教える側が「教師の生活リズムに合わせてくれてありがとう」くらいの気持ちは持っていい気がする。
中学生の頃は、朝起きるととにかく着替えをして、味噌汁とごはんをかきこんで登校していた。下手すると、起床から10分くらいで家を出ていたと思う。それほどまでに寝ていたかった。
若いときにたくさん眠れるといい。飽きるほど眠れるのも、若さの特権だろう。10代のときは、まるで眠るために生きているみたいな日もあった。そうして昼も夜もなく眠ったあとは、決まって気持ちがすっきりしていた。
だからみんな、眠れるうちにたくさん寝たほうがいい。おやすみなさい。