何かを教えるという立場で自分に出来ること
先日、何かを教える立場に当たって、叱るという手段はやってはいけないものだと言う、僕の意見を書かせて頂きました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
本日はもう少し詳しくお話しさせて頂きたいと思います。
人を変えることは出来ない
どれだけ躾だと言っても、人に厳しくしてはいけないし、罰を設けるなんてことはあってはならないものであると僕は考えています。
ですが、そうなってしまうと、そこの環境そのものが緩くなってしまうのです。それでは社会の厳しく部分の中では通用しないのです。現実問題として、ほんの少しでも嫌だと感じてしまったり、ちょっと厳しいと感じると、すぐに諦めてしまう人と、とても厳しい環境の中で生きている人とでは、あらゆる力の差は歴然のように感じます。
だったら、やっぱり何かを教えていく立場であるとするのなら、ひとつやふたつでも厳しい言葉や罰を与える必要があるのではないかと思うかもしれません。ですが、大声で叱責したりや暴力あるいは強い否定的な言葉といったものである力でねじ伏せたような厳しさでは、ただ単に、その場を抑え込んだに過ぎません。
そもそも、人が他人を変えていくことなんて出来るものでしょうか。
人を変えることは出来ません。悪い言い方かもしれませんが、人の心までは支配できないのです。自分の思い通りにしたい母親や人をゴミのように扱って、本当に酷いいじめをして、屈服させようとした会社の上司や先輩であっても、最終的に僕の心を支配し、心を折ることは出来なかったのですから。僕だけではありません。沢山の人の歴史が、それを証明しているはずです。
それに、どんなに素晴らしいことを、素晴らしい方に教えられたからといって、人は変われるものでしょうか。
例えばですが、僕はずっと自分に価値がないと思っていました。そこで、何かとんでもなく素晴らしい話で教えて頂いたって、どれだけ僕のことを気にしてくれて、大切な言葉をかけてもらったとしても、僕の中にある無価値観が変わる訳ではありませんでした。
もし、人が変わることが出来たと感じられるのなら、それは、誰かが変えてくれた訳ではありません。
その人自身が変わりたいと思い、変わろうと努力したから、変わることが出来たのです。その人自身の力で変わったのです。
僕だって、沢山、時間がかかってしまたって、どれだけ怖気づいてしまたって、なんとか自分と向き合う勇気をを持ち、これからどうするのかを必死に考えて行動するから変わるのです。
もし、あなたが変わったと思えているのなら、それはあなた自身が頑張ったからだと思って欲しい。
ただ、これだけは言えます。
そこに、変わりたいと思わせてくれるのは、人であるのです。たくさんの言葉や思いである行動に導かれるといいますか、そうした言葉や思いが、きっかけとなって、自分であれこれ考えて行動していったから、変われたと思える部分があるのだと思います。
つまり、どれだけ熱意を持って接しても、人を変えるきっかけを作るだけしか、自分に出来ることはないのです。
自分に出来ること
誰であっても、人を変えることは出来ない。それが理解出来た時に、叱ると言う行為は余計に必要ではないと考えました。叱るというものは、どんな思いを持っていたとしても、その人を力でねじ伏せて支配しようとするものだと言えるからです。
何かを教える立場にある人が出来ることは、その人が変わるきっかけを作る事。
僕は、過去に心病んで精神を壊したことがありました。その為にカウンセリングを何度も受けたことがありました。その時に、カウンセラーの方は答えをくれないものなんです。問題提起はしてくれるのだけれども、これがこうだときっぱりとした言葉を言われたことがないんです。いつも、僕の話をじっくり聞いてくれて尊重してくれるのです。その上で、これはこういう捉え方もできますが、あなたはどう考えますか。あるいは、たとえ話をしてくれて、これを聴いてあなたはどう感じますか?そういった問題提起をしてくれるのでした。それを考えるさせることで、僕に気付いて欲しいことを誘導しているようでした。
人に教えるというのも、これに近いものだと思うのです。
その人が何かに気付けるように、そのきっかけになるように、問題提起していくだけ。そして、その話をちゃんと聞いてもらえるように、その人のことを尊重するということ。そこから先は、本人の問題になってきます。
だから、見守ることも見届けるということも重要になってきます。
つまり、相手がこれからどうするのかを考えるように導くことだということ。これこそが、教える立場で最大限に出来ることなのですから。
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メルシー
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