笑顔で始まり笑顔で終わる
夢に悩まされていた過去
毎日のように悪夢のような良くない夢を見るようになっていました。夜中に、はっとして何度も目が覚めてしまうのです。覚めた瞬間には、息があがっていて、自分でも嫌なくらい汗をかいていたこともありました。
その夢とは、過去の一番苦しかった時に舞い戻ってしまう夢でした。そこで、かつての上司や先輩たちに無理難題を押し付けられては、僕一人、追い込まれては焦っては、どうしようと慌てふためくのです。それは、本当に鮮明に過去にタイムスリップしたようでした。夢の中の僕は、何度もダメだと思い苦しくなるのです。耐えきれずに壊れそうになると、これは現実ではないことにようやく気が付き、はっとしては目が覚めるのでした。
その現状を自分なりに解明しようとすると、自分は過去にいつまでも縛られているのかと思い、気分がとても落ち込むのです。そして、今の自分が精神が不安定になってしまっているのかと思うと、たちまち不安になってしまうのでした。本当に苦しくありました。
自分を追い込んでいたもの
その原因が分かったのが、今の職場の人から言われたことでした。
その方は、僕に対して恐る恐る聞いてきたんです。「大丈夫ですか。いつも怒っていますよね。私、何かしたでしょうか。何かあれば言ってほしいのですが。」
そんなつもりは全くなかったから、本当に驚きました。僕は、ただ必死だっただけだったのです。自分なりに責任のある立場でもあったし、守りたいものが、少なからず僕の中にいくつかあったからです。
鏡で自分の顔を見直してみると、凄く歪んでみえたのです。その時のショックは大きいもので、我に返ることが出来たのです。
僕は、切羽詰まるほど、何かに追い込まれていたのです。自分でも気が付かないほど、焦りを感じていたのです。それが、悪夢のような夢の原因であり、顔を日頃から歪ませていたのだということでした。
そして、全ては僕自身が作り出した縛りに追い込まれていたものでした。目の前のことをきちんとしなければ、守りたいものが守れないかもしれない。そうした不安が、どんどんと完璧であることをめられているような気がしていたんです。自分の中でやらなくてはいけないことばかりになってしまったんです。あれもこれもやっていおかないといけない。どんなこともきちんとしなくてはいけない。あるいは、きちんとみんなに守らせないといけない。誰かが失敗しないように見張っておかないといけない。
そのことを寝る前も朝起きたときも、考え続けていたのでした。
自分の中で追われている夢を見ていたのも、何度も起こされてしまうの原因は、自分を縛り付けすぎていたせいだったのです。
そのことに気が付くことが出来たときに、僕の中で、何かを間違えているような気がしました。だから、自分を見つめ直し本当はどうしたいのかを考えるようになりました。
確かに、仕事もきちんとしたい。多くのことを完璧にこなしていきたい。
だけど．．．。
何よりも笑顔で過ごしたい。
それは切実なことでした。
僕の中では、このために頑張っていたはずだったのです。ですが、どうしたものか、一番大事にしたかった目的を忘れていたのでした。
過去にいじめられた経験や、大切な人を悲しませたことや自分自身が鬱を患ってしまった経験をした時に、誓ったはずなんです。これからは、笑顔で生きようって。
それなのに。僕は、また同じこと繰り返そうとしていたんです。しばらくは、自分に腹が立ち許せなかったのですが、次第に前を向くようになれて、また気持ちを改めて、笑顔でいることを心掛けるようになったのです。
それが、なかなか難しく上手く出来るものではありませんでした。笑えないことの方が多く感じたからです。
それでも、これだけは守ろうとしたことがあります。
夜寝る前と朝起きた時くらいは笑顔でいよう。
一日の始まりを笑顔ではじめよう。一日の終わりを笑顔で締めくくろう。
そうしているうちに、少しずつではありますが、肩の力が抜けたように軽くなったような気がするようになれたのです。
すると、段々と自分を許せるようにもなれました。あの時の笑顔を失った自分もまた、それだけ、自分も必死だったんだなと思えたからです。
生きていると、状況の変化によって、自分がいつの間にか追い込まれてしまうこともあるかもしれません。気がついたら、自分を見失うことなんてよくあることなんですから。
だからこそ、いつだって、笑顔を意識して過ごせば、大切なものを思い出すことも出来るような気がします。
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最後まで読んで頂きありがとうございます。
今日も自分をご機嫌に。
メルシー