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【老前コラム】こむら返りに悶絶する57歳

 若いころはよくあった。
 一応運動部には所属していたし、こむら返り――いわゆる足がつるという現象は、学生の頃に何度も味わった。気温の変化が激しい時やウォーミングアップが不足しているときにそれは起きる。
 変な力の入れ方をしたという感覚から「あっ、くる!」ってなって痛みが襲ってくる。足が反り返り筋肉が痛くてとっさに足を正常な位置に戻すのだけれども、間に合わないときはその後もしばらく痛みが残るあれだ。

 思春期には非常に多く、もっともひどかったのは高校生の時、夏に雨が多い年に結局プールのテストが10月というとんでもない非プール日和でしかも寒い日に、25メートルだったか50メートルのタイムを計るという、今にして考えればいろいろ問題のある体育の授業があったのだけれども。
 僕としては飛び込みの時になるべく遠くに飛び込んで水に入る時間を1秒でも縮めたいといつもの3倍の勢いでジャンプをした。
 1回目はそれでうまく行ったのだが、2回目にタイムを計ったときそれは起きた。
 勢いよく飛び込んだ瞬間に足に違和感を感じた。これはやばい奴だと思ったものの、その姿勢ではどうにもできない。
 僕は水中で両足がつり危なく溺れかけた。
 それからしばらくはまともに動くことができなかった。

 思い返せばあれを最後に重症化したことはない。

 しかし今朝はやられた。
 ここ一週間くらい、寝ているときに足がつりそうになっていたので気を付けていたつもりだったのだが、今朝目覚めて起きようと思ったときに左足のふくろはぎと足先がつってしまい悶絶。
 幸い今日は在宅で外出する予定がなかったので今は安静にしているが痛みがなかなかひかない。

 調べてみると50歳を過ぎると誰もが一度はこうした経験をするらしい。

一般健康人でも激しい運動や長時間の立ち仕事の後には下肢を中心に起こることがありますが、50歳以上ではほぼ全員が一度は夜間のこむら返りを経験しており、60歳以上の6%が毎晩こむら返りに襲われているという報告もあります。

「こむら返り(足がつる)について」医療法人社団 健診会 東京メディカルクリニックHPより抜粋

 噂には聞いていたが、想像していたよりも症例が多いようだ。これが毎晩だなんてとんでもないことである。うかうか寝ていられない。
 ぎっくり腰や四十肩もそうだが、こうした症状にははっきりとした原因がないとされている。個人差もあれば年齢、環境など様々な要素があるからなのだろうけれども、どういうことが身体に起きているかはわかっている。

この季節につりやすい原因は「冷え」が大きく関係しています。
ふくらはぎは全身の血行を巡らせる大切な役割を持っています。冷えて、このふくらはぎの筋肉が凝り固まってしまうと、血流が滞り血行不良を引き起こしやすくなります。血行不良は足がつる要因の一つでもあります。
また、真冬の朝方は気温がとっても低いので、自分でも気づかないうちにぎゅっと縮こまって寝ていることもあります。
すると筋肉は緊張状態となり筋肉の収縮に必要な栄養素が十分に届きにくくなります。その状態で急に足を伸ばすと「足がつった!」となってしまうのです。

「こむら返り(足がつる)について」医療法人社団 健診会 東京メディカルクリニックHPより抜粋

 原因としてはミネラルバランスの乱れや筋力低下、冷えによる血行不良などがあげられますが、あおむけで重い布団をかけるや水分不足などもあり、予防のためには一定の運動によって筋力低下を防ぎ、食事やビタミン剤などでミネラルバランスをとり、寝る前に一杯の水を飲み、布団はなるべく軽いものにして、室温をある程度安定させる必要があります。

 あぁ、心当たりありすぎ。
 今年六月に引っ越したのですが、今、僕が寝ている部屋は天井がそこそこ高く、窓が大きめで朝方冷気が部屋の下にたまりやすい。
 カルシウムやカリウム、マグネシウムは食事だけに頼っているので時に不足がち。
 できるだけ運動というか歩くことはしているけど、それを課しているわけではない。おまけに喫煙者なので血行もよくないし、睡眠があまり十分に取れている状況ではない。

 これはなんとかしなければならない。この手の症状って慢性化する恐れがあると僕は考えている。だから何かしら改善しないといけない。

 ここのところ急に寒くなったので寒暖差に体がついて行けないのは仕方がないとしても、部屋に冷気をためない工夫はカーテンを変えて窓の遮熱・保温対策をしないといけない。

 カルシウムは魚を食べて摂取するというのは簡単ではないから、手ごろなのは低脂肪乳なのだけれども、これを飲むとおなかが緩くなることがあるので困ったものである。
 若いころはそんなことはなかったんですけどね。これも加齢のなせる業。

 はぁ、いやだいやだ。
 とはいっても自分の身体である。
 ちゃんと向き合わないといけない。サプリメントは苦手だけど、そういうことも取り入れていかないとだめですかねぇ。

 まずはカーテンから手を付けようと思います。どのみち夏も必要性はすごく感じていたので、夏と冬で両方効果があるものをしっかり選びたいと思います。

 皆様もたかがこむら返りと思わずにお気を付け下さいませ。
 本当、若いころと違って痛みが引くのに時間がかかりますから。
 トホホ。

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