中国料理の基本ソースを学び家庭料理に活用して
食の情報はアウトプット派だが、時々学びをインプットしたくなる。
料理はまず基本が重要。しかしレシピは自由に作るので、何が本物かがわからなくなるから悩ましい。
だからこそ料理の基本を学び直し、健康に良く美味しい料理を自分好みにアレンジしたいと思う。
そこで、都内にある香川調理製菓専門学校で開催された「中国料理」の勉強会に行ってきた。
講師の土屋純一先生は某有名ホテルの中国料理をご担当し、現在調理師養成校で教育に従事されておられる。
今回は中国料理に使うソースの種類について学ぶことができたので、一部ご紹介する。
〇 4種類の中国料理用ソースとデザート一品
〇基本ソースと料理
(1)冷製海鮮の葱山椒ソースを学ぶ
椒麻汁海鮮(じょうまじぃはいしぇん):前菜
<材料と分量:4人分>
ホタテ 4個
むきえび 4個
イカ(松笠) 4個
*海鮮の下味 塩、白こしょう、卵白、片栗粉
塩 適量
ごま油 適量
飾り用野菜:きゅうり、大根、ラディッシュ、レモン
<作り方>
① 海鮮類に下味をつける
茹でて氷水で冷やし水気を取り除いたら、塩、ごま油で和える
② 万能葱をミキサーにかけ、生姜とオリーブオイルを加えて葱ペーストを作る。葱ペーストに調味料を加えて葱山椒ソースを作っておく
③ 飾り用の野菜をお好みで切り①と共に皿に盛り付ける
④ 葱山椒ソースをお好みでかけてできあがり
*お好みの野菜や肉類・魚類を、茹でたり蒸したりして、葱山椒ソースをかけていただくのも結構おすすめ
(2)ラムチョップの黒こしょうソースを学ぶ
黒椒汁煎羊肉(へいじゃおじぃじぇんやんろう):炒め物
<材料と分量:4人分>
ラムチョップ 4本
玉ねぎ 100g
苦瓜 1/4本
クレソン 4本
*ラムチョップの下味は、塩、白こしょう、紹興酒、重曹(肉を柔らかくする)、卵、片栗粉、油
<作り方>
① ラムチョップに下味をする
② 黒こしょうソースの野菜を軽く炒め、残りの材料を加えてソースを作る
③ 玉ねぎと苦瓜をくし切りにする
④ ①を炒り焼きして取り出す。③を油通しして黒こしょうソースで炒め、水溶き片栗粉(分量外)でとろみをつける
⑤ 盛り付けをし、クレソンを飾ってできあがり
(3)蟹脚の揚げ物レモンソースを学ぶ
酢炸蟹脚檸檬汁(すうじゃあしぇじゃおにんもんじぃ):揚げ物
<材料と分量:4人分>
蟹脚(冷凍) 8本
パセリ(みじん切り) 少々
〔揚げ衣〕
薄力粉 80g
片栗粉 5g
ベーキングパウダー 5g
水 85~100ml
サラダ油 30g
<作り方>
① レモンソースの材料を加熱し、水でのばしたカスタードパウダーでとろみをつけておく
② 蟹脚に片栗粉をまぶし、揚げ衣を付け180℃の油で揚げる
③ ①のレモンソースを温め、とろみが足りなかったら分量外の水溶き片栗粉で調整し②の上にかける
④ パセリのみじん切りを散らしてできあがり
三種類のソースは作って試食してみると料理のアイデアに活用しやすい。
(4)鶏肉のバーベキューソースを学ぶ
沙茶醤焼鶏塊(さーちゃーじゃんしゃおぢぃくわい):煮込み
<材料と分量:4人分>
鶏もも肉 300g
〔鶏肉の下味〕
塩 ミニスプーン1/2
白こしょう 少々
紹興酒 小さじ1
片栗粉 小さじ1
サラダ油 大さじ1
ブロッコリー 1/4房
生椎茸 4個
ピーマン(みじん切り)1/3個
赤ピーマン(みじん切り1/3個
ねぎ 10g
にんにく(みじん切り) 5g
野菜下茹で用 → 水500ml、塩小さじ1、サラダ油小さじ1
<作り方>
① 鶏もも肉を3㎝角に切り下味をつける
② ブロッコリーを1口大、生椎茸に飾り包丁をして下茹でする
③ ピーマン、赤ピーマン、ねぎ、にんにくを炒める
沙茶醤とカレー粉を加えさらに炒め、残りの調味料の材料を加える
④ ①を油で揚げて③に加えて蒸し煮をする
⑤ とろみをつけて皿に②④を盛り付けたらできあがり
(5)いちじくのコンポート金木犀風味を作る
桂花醤香無花果(ぐいふぁじゃんしゃんうーほゎぐお):デザート
<材料と分量:4人分>
いちじく 4個 → 今回はいちじくの入荷が無いため桃で代用
レモンスライス 1/4個
水 1000ml
グラニュー糖 270g
桂花醤★ 30g
桂花陳酒★ 300ml
ゼリー
煮たシロップ 1000ml
粉ゼラチン 20g
<作り方>
① いちじくの皮を剥き、レモン汁(分量外)につける
② コンポートのシロップに①を入れ、紙蓋をして弱火で20分程煮る
③ ②を一晩漬けこむ
④ コンポートの汁を粉ゼラチンで固め、いちじくの上にかけてできあがり
〇使用した調味食材(★印)一覧表
ここで紹介した★印を付記した調味食材を、下記のように取りまとめたので参照してほしい。
〇アレンジ料理を一品
鶏肉のバーベキューソースは「カレー粉とごま油の混合」が珍しい味だった。
油や調味料もしっかりと使われているので、糖尿病や肥満など療養中の方は若干改変してみてはどうでしょうか。
「沙茶醤焼鶏塊(さーちゃーじゃんしゃおぢぃくわい):煮込み」をヘルシーかつ薄味にアレンジして調整してみた。
アレンジのポイントは
①肉を油で揚げずに焼く②炒め油は最小限に控える③調味料は2/3程度に抑える④生クリームの使用は好みで減らすか使わない等々。
家庭料理向けの「沙茶醤焼鶏塊(さーちゃーじゃんしゃおぢぃくわい):煮込み」が仕上った。
カレー粉とごま油のミックスは、食べ慣れないとクセが強いと思われるが、案外夏のこの時季に合うとも感じられた。ぜひ試してみてほしい。
〇 中国料理は合理的な料理
中国料理のソースは万能調味料。作っておけば炒める、煮る等簡単に料理がしあがる。
調味料の使い方次第で食材に味の相性と変化が生まれる。
中国料理が調味料の足し算、掛け算の料理とも言われるゆえんだ。
中国料理のソース材料には、とりわけ醤(じゃん)が有名。
アジア各地は湿度が高いため、各種「発酵」の文化がある。食材を塩漬けにして保存することで発酵・熟成が進み旨味が増すと言う。
中国料理はこれを利用し、多くの醤(じゃん)を使って複雑な味と風味を出している。
一般には、メーカーの調味料を使うことが多いが、中には自家製で醤(じゃん)を作り料理に個性を出しているようだ。
講師曰く、中国の調味料が手元にない場合は、無理せずあるもので工夫してほしいとのこと。
最後までご覧いただき感謝いたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?