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希死念慮と閉鎖病棟

②入院生活 

精神病院に到着し、問診票などに記入をして少し待っていると名前が呼ばれた。先生から「なんで死にたいの?」と聞かれた。
頭が真っ白になってしまった。私はなぜ死にたいのか自分でもよく分からなかったから。咄嗟に「受験のプレッシャーと対人関係の事で…」と言った。
今考えると本当のところは恐らく、ずっと止まない希死念慮によって“死ななきゃいけない”と自ら心に深く刷り込んでいたからだと考えている。
その後、診察が終わり入院の説明をされ、体重や脈拍を計測された。
病棟に向かう時、普通の病院と違い二重のドアにオートロックが着いていて物々しいと感じたことをよく覚えている。
部屋は個室だったので入院生活は思ったよりも快適だった。私は学校を休みがちだったので、いつもとあまり変わりなく過ごした。私が入院した病院はスマホokだったので、部屋から出ず、ほぼ一日中横になっていてたまにスマホを開くような自堕落な日々を過ごしていた。ただ希死念慮は変わらず、むしろ増して行く一方で退院したらすぐ自殺しようとばかり考えていた。
週に2回程ある診察では、流されていつの間にか対人関係の勉強をさせられていた。
今更、「対人関係の方法くらい分かってる。 必要ないです。」とは言えずそのまま勉強をさせられた。
早く退院したかったため、希死念慮はある?と聞かれても「無くなってきたかもです!」といつも答えていた。
そのうち退院許可が出て、1ヶ月間の入院生活は終わった。
退院したら、早く死ぬために家族からの信頼を取り戻そうと必死に元気に振舞った。

学校に行き始めたが、入院は10月から11月までだったので、進路も勉強も周りから遅れていて焦りが募った。
先生方が優しかったためか、なぜか内申点は上がっていた。
通信制高校が良かったが、親は通信に良い印象が無かったため、私立の全日制高校に入学することになった。その高校は進学校(笑)だった。

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