FRAGILE(木原音瀬著)を読んだ。
BLの話です。
木原音瀬さんのFRAGILEを読みました。ネタバレ祭りの感想です。
内容は部下×上司の監禁凌辱ものという感じですが、そんなこと言ってられなかった。
とんでもない小説だった。久しぶりに木原音瀬さんの小説読んだけどこの人は違う世界の人なんじゃないかと毎回思う。 圧倒される。
まさか序盤から尿掛けがあるとは思わなかった。人間にドックフード食べさせる人初めて見たよ。青池(部下)の大河内(上司)への恨みとか憎い気持ちが存分に出てた。
青池はなんで大河内を好きになったんだろう…と思うほど大河内はクソ人間というかゲスくてとにかく性格が悪い。でも現実には沢山いると思う。さすが木原音瀬さん。
愛憎の迷路がぎっしり詰まってた。
青池は自分を心身共にボロボロにした大河内を殺したくてたまらないのに愛してしまっている。大河内がクズだと知る前に惚れてしまったのが辛い。だからあともう少しで大河内が死ぬところまで追い詰めても最後には生かしてしまう。苦しい。
そして大河内も青池がめちゃくちゃ憎いし出来ることならば殺してやりたいと思っている。そんな2人なのでまともになれるわけがない。
そんなこんなでお互いに殺したいぐらい憎い二人はセックスをする。
青池は大河内と出来たことが嬉しくて、最終的には大河内は自分を愛しているのではと思い鎖と首輪を外す。逃げられると思っていたけれど大河内は一ヶ月経ってもそのままでいてくれる。青池は完全に自分と大河内は両思いなのだと感じ舞い上がる。ここら辺は割と甘かったかな。
私としてはここを読んでいる間はえ?まさかこれでハッピーエンドじゃないよね…?と少し不安だったけど、やっぱりここは木原さんだった。そんなわけがない。
青池と大河内は外食のために待ち合わせをするも大河内はやってこない。家で倒れているかもと家に帰ると、家から大河内の痕跡は完全に消されていた。そしてベッドに置いてあった手紙には『死ね』の一言のみ。
最高の展開すぎて私は心の中で踊りました。こういうのを待ってた!!!!
青池が大河内とラブラブな日々を過ごせたのは全て大河内の計算で逃げるための準備でしか無かった。ここがご都合主義じゃなくて大河内という人間が凄い出ていて好きです。青池と大河内のギリギリの心理戦って感じがした。
青池は執着心の塊なのでこれで諦めるはずもなく、大河内を探し出して家に押し掛け嫌がる大河内を無理やり犯します。
ここからは衝撃の展開過ぎて私も目を疑った。は?????え????ってなるしかなかった。
なんと青池は最中に自分の首を切り自殺をはかった……。
青池は大河内に手紙に書いた内容を言わせ、そんなに死んで欲しいなら死んでやりますよと言って自分の首を切る。いややばすぎでしょ。そのシーンが挿絵になってるのもさらにやばい。挿絵五度見した。めちゃくちゃ凝視した。
首切ってからの青池の発言も頭のネジ飛びまくっててすごいけどここら辺は実際に読んで欲しい。
私はこのまま青池亡くなって終了かと思いましたが、青池は生きてました。なんと大河内が救急車を呼んだんです。このまま放っておけば青池は死んだけど、後味が悪いからとかなんとかいって大河内は助けた。いやーすごい。
ラストのシーン、読み終わってため息でました。ハァ〜〜となる。読んでください。そのあとの木原さんのあとがきもよかったです。
私は商業BLに足を突っ込んだばかりなのでFRAGILEがどれぐらいなのかはわからないですが私が今まで読んだ中では一番頭のネジ飛んでるなという内容でした。監禁というワードに惹かれて読むとまずいかもしれない。
頭のネジ飛んでるな〜と思ったけど私はもっと惨いかと思ってたのでそこはちょっと拍子抜けしたかな。でも青池が大河内が好きだからこそ。愛と憎が少しでもブレていたらまた違った展開というかどっちか確実に死んでたな…。
めちゃくちゃ長くて自分でもびっくりしたけど終わります。
私みたいなひよっこにすすめられなくてももう読んでるわ!って方ばかりだと思いますが本当にどうか読んで欲しい。
2019.6.7 坦々麺