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発達障害には希望がある。(書評)発達障害 うちの子、将来どーなるのっ!? かなしろにゃんこ。
発達障害バブルとでもいえそうな様相を呈している。猫も杓子も発達障害。発達障害を標ぼうする本がたくさん出ているが、そんな中でも具体策に踏み込み、当事者にとって本当に役立つ情報は非常に少ない。
そんな中で、かなしろにゃんこさんのコミックエッセイは、発達障害の当事者と家族の現状を正確にとらえ、高校・大学・就職・仕事についたら、それぞれどんなサポートを得られるかが分かるので心強い。いわゆる「発達障害あるある」に終わらず、サポーターたちへの丁寧な取材が行われているので、実用性のある一冊だ。
ADHDでも成長する
コミックの後半にはADHDの女性の仕事経験談が載せられている。やはり、自分の持つADHD特性で大いに苦労させられる。ウェイトレスバイトでお客様のテーブルが分からなくなったり、テンパってレジで誤差を出してしまったり、ADHDの特性全開だ。
しかし、彼女のすごいところは、ADHD特性を持ちつつ成長するコツをつかんだところだ。レジのバイトをしていた時に、先輩からどこが悪いかをじっくり観察してもらい「もっとゆっくり(3割増し)打ってみたら」と言われ、半信半疑ながらそのアドバイス通りにすると、ミスが激減したのだ。
その後についた仕事でも同僚や先輩に、自分の仕事ぶりを「見てもらい」、具体的な改善策を言ってもらう。どこをどうすれば、もっとよくなるかを教えてもらうようにしたのだという。そうすることで、どんどん成長するようになったのだ。ADHD特性を持っているとはいえ、こんなに一生懸命に仕事をしようと思う人、しかも謙虚な人は愛されるだろう。
自分が何をできないのかを知り、どうすればできるのか、他の人のアドバイスも求められるようになると、人は大いに成長するんだな。短いコミックだったけど、この部分に感銘を受けた。ADHDは自尊心が低いので、注意されると、批判されたと勘違いして、逆切れすることも多い(参考:#ADHDあるある:思い込みが激しい・暴走すると止まらない。)
しかし、この女性のように「学ぶ姿勢」を持っている人は、どんな場所に行っても、成長し続けることができるし、愛されキャラでいられるだろう。仕事がそつなくできるかどうかより、ずっと大事なことだ。
発達障害の希望
発達障害は、おそらく「治る」ものではないだろう。しかし、その特性を理解し、環境を調整したり、自分を調整したりすれば、いくらでも「生きやすく」なる。
コミックの中でも、ASDと診断された女性が、ちょっとずつコミュニケーションを学び、だんだん「会話上手になったね」と言われるストーリーが登場する。自分の思うようにいかなくてがっかりすることはあるけれど、できるようになることもたくさんある。
もともとが、相当に生きづらいわけだから、ちょっとの調整と改善で、伸びる余地があるから、成長を感じて幸せになりやすいメリットもあるかもしれない。そういう意味で、希望の持てる本だった。高校・大学・就職・・・と続くので、小・中学生で発達障害を診断され、将来のことが不安な親御さんが読むと、励みになりそうな本だと思う。
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