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「小川仁志」流!読書法。知的生産術 頭がいい人の「読み方、書き方、学び方」

先日、自分の「強み」を測るテスト「VIA-IS」をやってみたところ、私の一番の「強み」は知的好奇心だった。その次に創造性が来る。確かにインプット・アウトプットはお金関係なくやり続けることだ。そんな私にとっては、インプット・アウトプットを主題にした本は大好物ということになる。

著者は哲学者の小川仁志氏だ。小川氏は異色のキャリアで、社会人になってから哲学者の道を志した人。忙しい生活の中でも勉強をして成果を挙げてきた。現在は月1冊、出版をするアウトプットのプロでもある。どんな学び方をしているのだろうか。

自分がやってみたいと思ったところだけ、拾ってみた。

読書は思考の探検

「考え、本を読み、また考える。こうして思考の探検のために読書をする」。これが、小川氏の読書法の神髄だ。単に情報を得るためではなく、自分の頭で考えるために本を読むのだ。小川氏は哲学者だからね!

本は地図のようなもの。いくつもの地図を見ながら、自分が行きたいところに行く。地図は目的があって初めて意味がある。小川氏は、本は最後まで読まなくても良いのだと言い切る。地図を精読することに意味があるわけではないのだ。

「読んでいる途中に新発見があれば、そこで読むのをやめてもいいでしょう。 これも思考の探検として読む場合にのみできることです。本を読む目的は必ずしも通読することだけではないのです。 思考の探検として読む場合、読んでいる途中に自分なりの発見があれば、それ以上読む必要がないことだってあります。」

自分なりの思考の探検に有益だから読むのだ。最初から最後まで相手の考えを聞いていたら、自分なりの探検など、ままならない。ここら辺は、ショーペンパウアーの読書論などを読んでいても同じだ。

じっくり時間を取って、最後まで著者の考えを聞いて、相互の交流を通して自分の思考を深めていく場合もある。そうしたほうが良い場合もある。しかし、全員とじっくり話している時間はない。
宝さがしゲームをしているのに、道を聞いた村人Aの人生論を詳しく聞いている暇はない。ということで、自分の思考探検ありきで、ある場合にはそれ以上「読まない」選択をするのも小川流だろう。

APU学長の出口氏も、最初の10頁を熟読して、その本を読むか決める。「読まない」選択をする人。小川氏の違いは、自分の思考が深まったり、道が見えたらすかさず読むのをやめるところだろう。これはいい。読書に関する完璧主義を正す一つのアイデアだ。

カントの勉強法

この本の中では、様々な哲学者たちの勉強法が示されており、それを読むのも面白い。その中でも、興味を惹かれたのはカントだ。カントは、様々なルーティーンを持っていた。
その中でも、食事と散歩には強いこだわりがあった。食事は、必ず友人たちと一緒に食べる習慣を持っており、散歩は決まった時間にルートを歩いた(近所の人の時計代わりになるくらい正確だった)。

「カントがあえて他の人たちと時間を過ごすことでリフレッシュしようとしたのは、むしろ別の視点から情報を入れ、自分で考えるときとは違う頭の使い方をしようとしたからに違いありません。」

「カントは、歩きながら考えないようにしたとされています。つまり、食事と同じで、モードを変えるために散歩に出かけていたからです。」

実はカントがこのようなルーティーンを守り続けたのは、頭のモードを切り替えるためだったという。ひとつの方法だけで、脳を使うと疲れてきて生産性は下がってしまう。だからこそ、様々なモードを意識的に使い分けて、脳を疲労を分散させること。カントの散歩は有名だが、特に考えないように歩いていたというのは興味深い。

以前、ぼ~っとする時間が、ひらめきと関係しているというのを知った。(参考:これ以上出ない!行き詰った時に使えるアイデアがひらめく3つの方法。)偉大な業績をあげている人は、それなりに知的インプット・アウトプットのオリジナルな手法を持っているものだ。

あえて整理しない

小川氏は読んだことを、あえて整理しないという。ノートに書いてまとめたり、デジタルデータに保存したりしない。それは知識を使える状態に保つためだ。

「どうするかというと、そのまま頭に入れるようにするのです。メモでもチップにでもなく、頭にです。いったん考えて、頭に落としておく。いわば哲学式情報整理術です。  そうでないと、すぐに使えないからです。人と話すとすぐにわかります。その人がどれだけ頭に物を入れているかどうかわかります。」

その例として、知的な本を書く筆者と話したエピソードに触れている。本の内容は良いのだが、話してみると深い知性は感じられなかったという。つまり、その作者にとっては、知識は「使える状態」になっていなかったのだ。なかなか、手厳しい。

確かに、しっかりと整理し、しまい込めばしまい込むほど「活用」から遠ざかる。思いっきり使っていこうと思えば、しまわないという選択もある。もともと、脳の記憶整理はタンスに上から順にしまうようなものではなく、シナプス同士の接続のパターンで作られている。理論上は無限に記憶できるわけだから、あえて、整理に時間を費やす必要もないのかもしれない。

ただ、自分のことを考えると、学んだことを、どんどん忘れていくので、何とか記憶に残したい、みたいな欲求はあるのだけれど。それは求めすぎなのかもしれない。そもそも使う知識は定着していくし、使わない情報は忘れてもよいものなのだ。

たくさんの本を書く人(作家)には憧れがある。本を読んで、書いて、読んで、書いてというのは、実に楽しいものではないか。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq