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ネット社会で詐欺師の嘘を見破る方法『元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法』ジャック・シェーファー
さすが、Amazonレビューに偽りなし。文句なしに面白い本だった。エピソードも豊富で読みやすい。FBIで鍛えた著者のプロファイリングは、徹底的な人間観察から来ている。細かなテクニックで、やってみようと思うことは、何個もあったんだけど、特に私が注目したのがネット社会で自分を守る方法だ。ここに踏み込んで書いている本は珍しい。
先日読んだ元・FBI捜査官ジョーナヴァロの「しぐさ」の心理学では、ノンバーバルコミュニケーション(言葉以外で伝わる表現)から人の心理を読み取る方法を学んだ(参考:『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学』 ジョー ナヴァロ)。しかし、現在のように、対面接触のほとんどがオンライン会議(ZOOM・スカイプ・ライン)などで、メールやチャットなどでやり取りすることが多い状況では相手の嘘をなかなか見抜けない。
ネットで接触する人すべてを疑う必要はないが、ネット独特の危険に注意を払うことが大切だと再認識した。
「真実バイアス」に注意する
ネットに限らず、人に騙されないための秘訣は「真実バイアス」の存在を理解することだ。真実バイアスとは、簡単に言えば「性善説」だ。「人は他人を信じる傾向」があるということ。
「その人物が信用できないという事実が表面化するまで、私たちはたいてい相手のことを信用する。」(P282)元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法 (だいわ文庫) (日本語) 文庫 – 2019/9/12
詐欺師たちは、真実バイアスを最大限に有効に活用しようとする。特にネットでは、メールやブログなどで書かれていることを見ると、基本的には、相手は真実を語っているのだろうと思ってしまう。最初から疑ってかかるのは、人の基本姿勢ではないのだ。
しかも、私たちは、自分が最初に下した判断にこだわろうとする。これを「初頭効果」とも言う。
「真実バイアスには・・大きな特徴がある。相手の話にちょっとしたほころびや矛盾が見つかっても、疑問を唱えるのを避けるため、こちらで勝手に言い訳を探し、相手を正当化してしまうのだ。相手に反論するより、ちょっとした食い違いに目をつぶる方が簡単だからだ。」(P283)
元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法 (だいわ文庫) (日本語) 文庫 – 2019/9/12
そのため、危険なシグナルが出ているのに、それを無視し続け危険な関係を続けてしまうことがあり得るのだという。そこで、だまされないためにできる一つの方法が「競合仮説」を立てることだ。
「競合仮説」でフラットな見方をする
基本的に人は信じやすいという前提に立ち、自分がだまされている可能性も常に念頭に置く。できれば早いうちに顔と顔を合わせるべきだが、そうできないこともあるだろう。そんな時は「競合仮説」を持つようにする。
「競合仮説は、まったく同じ状況、あるいは似たような状況から生じる正反対の結果を、推測したものだ」(P284)つまり、自分がコミュニケーションしている相手に関して頭から信じてしまうのではなく、詐欺師である可能性も念頭に置くってことだ。
「本物であり、真実を述べている」(仮説A)
「詐欺師であり、大ウソつきだ」(仮説B)
先ほどの真実バイアスに照らせば、普通の人は仮説Aしか持たないので、だまされていることに気づかなくなる。しかし、同時に全く別の仮説の存在を頭に置くことで、どちらの証拠が多いのかが、相手を信頼できるのかを雄弁に物語るものになる。私たちが、一度、疑いを持ちだすと真実バイアスの力は弱くなることに注目だ。
嘘を見破る話法
詐欺師とのやり取りでは、相手の返答次第で嘘をついている可能性を見極めることができる。意識していると、嘘をつく人には特徴的なコミュニケーションがあるので覚えておくと、邪悪な人にだまされなくてすむだろう。
「まあね」は嘘のサイン
非常に有用なテクニックのひとつが、イエスかノーで答えられるシンプルな質問をし、それに相手がどう答えるかに注意を払うことだ。イエスかノーで答えられるのに「まあね・・・」とか「うん・・・」と述べて、別のことを話しだしたら、それは嘘をついているサインだ。この場合、真実にたどり着くためには、イエス・ノーで答えられる質問を繰り返すことだ。
相手は必死で話題をそらそうとするが、こちらは「いえ、そういうことを聞きたいのではありません。あなたは~~したのですか?していないのですか?」と尋ねることだ。これは、よく国会中継で見るやり取りだ(涙)
どうして君を信じるべきなのか?
そして、とっておきの強力な質問が「どうして君を信じなくちゃならないんだ?」と尋ねることだという。真実を述べている人は、この質問に対して「だって、それが真実だからだよ」と答える。しかし、嘘をついている人は、事実に頼れないために、様々な情報を持ちだして説得しようと努めてくる。この場合、話せば話すほど怪しいのだ。
信じられない場合には、何度でも「どうして君を信じなきゃいけないんだ」と尋ねる。著者が述べるように「真実はシンプル」なのだ。言葉の多い人は、信用ができないかもしれない。
感想まとめ
ネット社会での身の守り方は、この本の中で一章しか書いていない。でも、とっても参考になった。
ネット社会には詐欺師がゴロゴロしているということを知っておかなければならない。お金儲けや、セックスなど、欲が絡むジャンルには、魑魅魍魎が跋扈している。私自身、15年以上、ネットの世界でアフィリエイトやら、何やらかにやら手を出して、本当にこの世界危険だと実感している。何度もだまされて、お金を失ってきたけど、この記事で取り上げてきたようなテクニックを駆使すれば、かなりの部分、被害を防げたかもしれない。
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