選択理論に学ぶ「モチベーション」を上げるたった2つの方法
まず、はじめに、この記事においては「モチベーション」ってのは「やる気」というくらいの意味で使う言葉にしたい。仕事をしていると、時々、相談を受けるモチベーションの話。
・モチベーションが上がらないのですがどうしたら良いですか
・モチベーションがすぐに下がってしまうのですが・・・
・モチベーションを保つことができずに・・・。
時間が無いわけではないものの「モチベーション」の上がり下がりによって、作業ができたりできなかったり、仕事をやったりやらなかったり、これでは当然「成果」が出るわけがない。何かの成果を得たいと思えば、モチベーションのコントロールが必要だ。
「モチベーション」の実態とは「感情」
シンプルに考えてみよう。モチベーションというのは、言葉は複雑だけれども、煎じ詰めると単なる「感情」にすぎない。
・やる「気」に満ち溢れている
・なんでもできる「気」がする
・成功しそうで「気持ち」が高揚している
どれも「感情」にすぎない。もちろん、仕事に「感情」が伴っているのは良いことだ。とりわけ「ポジティブな感情」が伴っていれば、気持ちが良いだろう。しかし、大事な点として、仕事の出来はそれに依存しているわけではない。
気持ちが乗った時だけ仕事をしていたら、何も成し遂げられない。仕事は、気持ちが乗っても乗らなくてもやるべきものだと理解するほうが合理的な考え方だ。以前も書いたが、これは森田療法の「気分本位」と「行動本位」の考え方と同じだ。
ちょっと厳しめだけれど、大事なのは感情に左右されない人になることだ。モチベーションをともかく持ち出す人は(私も以前はそうだったけど)それ以前に「感情」をコントロールする術を身につける方が良い。「やる気」だけではなく・・・
・怒り
・興奮
・落ち込み
・喜び
・妬み
こういう「感情」をいかに、自分で思うとおりにハンドル(扱えるか)できるかが仕事の、ひいては、人生の成功に関わってくる。おそらく、モチベーションにこだわる人は、感情のコントロールが苦手なはず(私がそうだったので)。
「感情」は直接操作できない
しかし、感情をコントロールするというのは簡単なことではない。そこで、選択理論の考え方が際立ってくる。選択理論によると、すべての「行動」は「全行動」と呼ぶ。あまり意識することはないけれど、私達が「何かをしている」という時、そこには4つの要素が関わっている。
・思考
・行為
・生理反応
・感情
これがすべて合わさって、私達は「何かをしている」と表現するのだ。たとえば、私の場合だと、コンテンツ作りは毎日の仕事(行動)なんだけど、この「行動」は細かく4つに別れることになる。
・思考(こんなことやって意味あるのかと考えたり、これは後々世界を変えるぞ!と考えたり)
・行為(呆然とネットサーフィンしたり、集中してキーボードを打ったり)
・生理反応(だる~い状態 とか、集中してアドレナリン放出状態とか)
・感情(あ~面倒くさい、とか、面白いとか)
「コンテンツを作る仕事」(行動)は、4つの要素が合わさった「全行動」なのだということ。
選択理論で、非常に重要な考え方の一つは「感情」は直接操作出来ないことだ。選択理論のサイトによると、車の4つのタイヤの例えで説明されている。ハンドルで操作できるのは、前の2つのタイヤ「思考」と「行為」だけなのだ。
コンテンツ作成の「お仕事」(行動)の場合、自覚できるのは、
・あ~面倒だ(感情)と
・すっごい眠いし(生理反応)
こういう2つの要素。これがいわゆる「モチベーションが低い」状態。この2つの部分は変えようがない。直接ハンドルと結びついていないのだから。それで、変えられるところに焦点を当てる必要があるのだ。選択理論によれば、モチベーションを上げる方法は、この2つ(思考・行為)を変えるほかない。
1:「思考」を変えて「感情」を前向きに
ネガティブな「感情」がある場合には、そこに必ずネガティブな「思考」がある。例をあげて考えてみよう。
コンテンツ作成のお仕事が・・・
・面倒くさいな~(感情)
・取り組みたくないな(感情)
・すぐに飽きちゃう(感情)
と思う場合、おそらく、その背後にはネガティブな「思考」が渦巻いている。
・こんなことやって意味があるのだろうか(思考)
・間違った方法を積み重ねているのではないか(思考)
・将来は使えなくなるノウハウなのではないか(思考)
人は自分が意識しているより「考えて」いるという。普段自覚することは少ないのだが、「感情」の背後にある「思考」にこそ注意を向けるべきだ。「思考」が変わると、感情は変化する。そして、意識して「思考」は変えることができる。
コンサルタントやセミナーに価値があるのは、講師が受け手の「考え」に影響を及ぼせるからだ。「思考」が変わると「感情」は必ず変化する。そして、それに釣られて「生理反応」(だるい、眠い・・)も変化する。
例えば、優れた講師のコンサル・コーチング・セミナーを受けたとしよう。コンテンツ作成の「意味」について、みっちり学ぶ。どれだけ、この仕事が尊いことなのかってのを学んだ人の「思考」は・・
・この一つのコンテンツは世界を変える可能性がある(思考)
・世界とまではいかなくても、誰か一人の行動・人生を変える可能性がある(思考)
・他の誰かには決して出来ないことで、自分だけができることなんだ(思考)
このように「思考」を変化させることができるかもしれない。そうすると「感情」が変化する。
・このコンテンツをもっと多くの人に見てもらいたい(感情)
・どうしたらもっと魅力的なコンテンツを作れるだろうか(感情)
・お!時間が早くすぎる・・時間が全然足りないよ!(感情)
いわゆる「モチベーション」が上がった状態になるのだ。時折、いわゆる「成功者」の中には、良質なセミナーを何度も繰り返して見て(聴いて)いるという人がいる。つまりは「思考」のパターンを変化させている(洗脳?)だ。
仕事に対しての「考え方」を変化させることで、やる気を保っているのだ。その場ではモチベーションが上がっても、すぐにやる気のない状態に戻ってしまう人は、つまり自分の「考え方」に戻っちゃうということだ。「これ意味あんのかな?」とか「いつになったら成果でるのかな?」とか。
そんな考え方が、フラフラと脳内に漂いだして来たら、その思考のままでは、モチベーション(やる気という感情)は一生上がらない。成功パターンの「考え方」を脳にインストールしない限り、このフラつきからは逃れられないのだ。
意図的に、自分でどんな「思考」をしたいかを考え、頭のなかに取り入れるものを「選択」すること。自分の「考え」を形作るものを、自らが決めていくことが必要。それに取り組みさえすれば、あの難敵「やる気の無さ」を克服できるようになるのだ。
私も決して、自分の「感情」のコントロールに長けているわけではないけれど、このような「心理学」を知っているか知らないかで、自分のハンドルを握れるかどうかが変わるので、これは重要な知識だと思っている。
思考のコントロール、簡単ではありませんが、やりがいのあることだ。
2:「行為」を変えて「感情」を前向きに
選択理論から考えて、やる気を高める方法。もう一つは「行為」を変えること。やりたくなくても、とにかく「やる」こと。やっているうちに、やる気が出てくる。
ライフハックの書籍などでも、この点は、よく取り上げられている。最初は、やる気(感情)が無いけれど、始めてしまうと(行為)けっこう乗る!のは誰しも経験することだろう。「行為」を変えることに関しては、巷のブログやサイトでもよく触れられていますので、短めにしたい。
まとめ
大事なのは「感情」は直接は操作できないけど「思考」と「行為」を変えることで、「感情」に間接的に影響をあたえることができるという事実。この単純な事実を知ること。小さな知識だけれど、これを知るのと知らないのでは、大きな違いがあるはずだ。