見出し画像

MSSMの可能性

 最近読んだ本で,心理療法の技法MSSMに関するものですが,いたく感心しています.ユング派の心理療法では箱庭療法が有名ですが,荒っぽく言うと,箱庭療法を簡易化して,なおかつフィンランド発のオープンダイアローグのように,クライアントの気持ちを聴くことも盛り込まれています.この優れた療法が日本発ということが誇らしいです.そしてこのMSSMはそのまま創造性開発に使えます.
 発想法の古典である川喜田二郎のKJ法では,見聞きしたことをインデックスカードに一枚ずつ書き,それをばらまいて,本質において関連性があるものをグループ化して,本当の本質を見出します.しかしながらその本質における関連性の発見が難しいのです.
 同じく古典である中山正和のNM法では,その本質を探すところが技法化され,やりやすくはなっていますが,慣れるまで少し時間がかかります.
 MSSMは,その本質を探す能力を育てることができます.MSSMを一通りやって,それからKJ法,NM法に取り組むとやりやすくなると思います.またMSSMだけで発想することもできます.療法ではやりませんが,解決したい問題をテーマにして,MSSMをやるのです.テーマ化は,NM法のやり方であるキーワード化で良いでしょう.
 MSSMは精神科医,心理療法家である山中康裕が考案したため,療法となっていますが,上記のようにいろいろな展開が可能です.一層広まることを期待します.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?