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「何度も確認しちゃう…」それ、強迫性障害かもしれません

こんにちは。メンタルウェルネスあおぞらです。

先日、強迫性障害に対する認知行動療法の研修会に参加してきました。日々のカウンセリングを行う中で、強迫性障害に悩む方は決して少なくなく、改めて支援の大切さを感じる時間でした。

強迫性障害とは、例えば「手を洗わないと病気になってしまうかもしれない」「玄関の鍵を閉め忘れたかもしれない」という強い不安に駆られ、その不安を和らげるために何度も手を洗ったり、鍵を確認したりすることを繰り返してしまう状態です。本人も「やめたい」と思っているのに、頭から離れず、やめられない。結果、日常生活に大きな影響が出てしまいます。

症状がない人からは「そんなことを何度も繰り返してどうするの?」と不思議に思われることも少なくありません。でも、本人にとっては「もし手を洗わなかったら…」「ちゃんと確認しなかったら…」という不安がとてもリアルで、恐怖を感じているのです。

例えば、何度も手を洗う人は「手を洗わないと大変なことが起きるかもしれない」という強い不安を抱えています。手を洗うことで一時的に安心しますが、すぐに「本当にきれいになったかな?」「また汚れてしまったかも…」と不安が戻ってきてしまいます。そして、また手を洗う…。安心は一瞬で、すぐに不安に追いかけられる。この繰り返しはとてもつらいものです。

この「不安への対処法」そのものが、不安を長引かせてしまう原因になっていることが、強迫性障害の大きな特徴です。

認知行動療法では、不安がきても「いつもの方法」で対処するのではなく、新しい対処法を一緒に探していきます。

たとえば、

  • 不安を感じても、手を洗わずに過ごしてみる

  • 「汚い」と思っていたものに触れても、そのまましばらく様子をみる

こうした「不安と向き合う小さなチャレンジ」を少しずつ繰り返していきます。

最初はとても怖いし、不安でいっぱいになるかもしれません。でも、不安を避けずに過ごしてみると、「あれ?思っていたより大丈夫かも…」と気づくことが増えていきます。何度も繰り返すうちに、不安が少しずつ小さくなっていくのです。

この治療法は、世界中で行われており、効果も科学的に証明されています。薬と同じくらいの効果があると報告されている研究もあります。ただ、もちろん全ての人に同じ効果が出るわけではありません。しかし、今もなお、多くの専門家が推奨する治療法の一つです。

実際、私のカウンセリングに来られる方の中にも、強迫性障害で悩んでいる方がいます。決して珍しいものではなく、100人に1人~4人はいると言われています。仕事や家庭の中で「自分だけがおかしいんじゃないか」と思い、誰にも言えずに一人で悩んでいる方も少なくありません。

でも、大丈夫です。強迫性障害は一人で抱え込まず、専門家と一緒に向き合うことで少しずつ改善を目指していけます。

「ずっとこのままかもしれない…」と不安に感じている方も、焦らなくて大丈夫です。小さな一歩を一緒に積み重ねていくことで、変わっていく未来があります。

これからも、皆さんが安心して相談できる場所であり続けられるよう、私自身も学び続けていきたいと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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