陰と陽: 日大三高野球部の新指揮官・三木監督の素顔
過去26年、日大三の名将、小倉全由氏の影として、その勇姿を支え続けてきた三木有造監督。
彼の今の姿は、以前の「嫌われ役」とは大きく異なる。
ここでの興味深い点は、なぜ彼がそのような変化を遂げたのか、スポーツ心理学の視点から解き明かしてみよう。
小倉氏の監督時代、三木氏は徹底した「嫌われ役」として、選手やメディアに対する厳しい態度で知られていた。
心理学的に考えると、人々はしばしば「光」と「陰」という相反するキャラクターを持つ存在に対して魅力を感じることが多い。
小倉監督が明るく魅力的な「光」として輝く一方、三木監督はその背後で静かにサポートする「陰」として存在していた。
しかし、その役割は必ずしも固定されたものではない。
監督のバトンが三木氏に渡された後、彼の態度は柔軟性を増してきたように見受けられる。
彼自身も過去の役割について「小倉監督をどう立てるかだけを考えていました」と語る。
スポーツ心理学において、リーダーシップのスタイルは、チームの状況や目的に応じて柔軟に変えるべきだとされている。
三木監督の変化は、その理論を体現しているかのよう。
監督としての新たな役割は、彼により選手中心のコミュニケーションスタイルを模索させ、それがチーム全体の雰囲気を変える一因となった可能性がある。
主将の二宮士も、三木監督の変化を肯定的に捉えており、「のびのびとやりやすい監督だ」と評している。
選手からのフィードバックは、三木監督が選手たちの信頼を獲得している証拠と言えるだろう。
そして、スポーツ心理学においても、選手との信頼関係の構築は成功の鍵とされている。
三木監督の今のスタイルは、その理論を再確認するかのよう。
試合前の個人アップの時間に三木監督が緊張していることを打者の針金侑良が暴露する一方で、「部長時代よりやさしくなりましたか？」という質問に対して、「全然変わってない」と答えている。
このような細やかな選手の気配りは、チームの絆や一体感を強化する要素となる。
最後に、三木監督自身の言葉に触れてみると、「ホントはそういう感じだと思うんですけどねぇ」と述べている。
これは彼が本来の自分を取り戻した、あるいは新たな自分を見つけた証拠かもしれない。
リーダーシップスタイルの変化は、自己認識や自己受容の深化をもたらすことが、スポーツ心理学からも示唆されている。
新生・日大三が甲子園初戦を迎える中、三木監督のリーダーシップスタイルの変化とその背後にある心理的要因を理解することで、彼らの更なる成功を期待したい。
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