一流アスリートへの道：幼少期の多様なスポーツ取り組みが鍵となる

笠原彰　とちぎスポーツ医科学センター協力心理相談員　プロメンタルコーチ　作新学院大学教授

2023年9月7日 11:48

バスケットボールの河村勇輝選手は、バスケのみならず野球、柔道、さらに地域の相撲大会にも出場するなど「複数の競技」の経験を持っています。このような多岐にわたるスポーツ経験は、多くのトップアスリートに共通する特徴と言えるでしょう。

最近のバスケットボールW杯で、48年ぶりに日本が五輪の出場権を獲得した際、そのキーとなったのは河村勇輝選手（22歳）でした。彼は小学2年生からバスケを真剣に始めたと言われていますが、それ以前は野球や水泳、柔道など、多種多様なスポーツに取り組んでいました。彼の父、吉一さんによれば、河村選手自身が「野球の経験があるおかげでボールの投げ方が得意」と語っていたといいます。そして、柔道によって彼の体幹も鍛えられていたことを伺うことができます。

平山昌弘氏（フィジカルトレーナー）は、河村選手のように様々な競技を経験することの重要性について触れ、「複数のスポーツに触れることで、身体の使い方や反射神経、空間認識能力などが向上する」と述べています。欧米では、子供のうちから複数のスポーツを経験することが、運動神経を高めるための常識となっています。

エンゼルスの大谷翔平選手やパドレスのダルビッシュ有選手も、それぞれ小さいころから水泳やアイスホッケーなどのスポーツを経験しています。これらのトップアスリートたちは、自らのスポーツ経験が現在のパフォーマンスにどれほど影響しているかを語っています。

笠原彰心理学的分析：
子供の時期にさまざまな競技に取り組むことは、身体だけでなく心も成長させます。異なる競技に触れることで、新しい技術や考え方、そしてチームワークや競争心を学び取ることができるのです。この多様な経験は、柔軟な思考や状況適応能力の向上に繋がります。それゆえ、子供時代に多種多様なスポーツを経験することは、将来的なトップアスリートとしての成功に非常に有益であると言えるでしょう。

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