「心の会話」が生んだ勝利: 鳥栖工の甲子園初勝利
第105回全国高校野球選手権大会における鳥栖工（佐賀）の初の甲子園での勝利は、単なる試合結果以上の背景がありました。
その背景には、スポーツ心理学的にも非常に興味深い要素が含まれています。
鳥栖工は、延長タイブレークを経て富山商を破り、2回戦へと進出しました。
特に注目すべきは、1年生の松延響と、その兄で捕手の晶音との連携。二人の組み合わせは、ファンからは〝仮面ライダーバッテリー〟と称されています。
このような兄弟の連携も、チーム内の絆や信頼関係を象徴しています。
しかし、一つの勝利の背景には、一度の挫折が隠されていました。
春季大会での敗北後、選手たちの意識の変化が見られました。
そのキッカケとなったのは、監督大坪慎一の試合中の態度。
彼は、試合途中で投げやりになった様子を見せ、自らの口からあきらめの言葉を漏らしました。
これは、スポーツ心理学では「自己調整能力」の低下とも取れます。
しかし、彼の振る舞いが選手たちとの〝心の会話〟のキッカケとなりました。
スポーツ心理学的には、選手と監督の間のオープンなコミュニケーションは非常に価値があります。
大坪監督が選手たちに日誌を書かせることで、お互いの感じたことや考えを共有し合う文化が育まれました。
この文化が、チームの成長や絆をより深める要因となったことは間違いありません。
最終的に、エース古沢を中心にチームの意識が一新され、春季大会での敗北をリベンジする形で勝利をつかみました。
このような経験を通じて、スポーツ心理学的な観点からも、コミュニケーションの重要性やチーム内の信頼関係の築き方について学ぶことができます。
結果として、鳥栖工は甲子園での初勝利を手に入れましたが、その背景にはチーム一丸となる「心の会話」の力があったのです。
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