“更年期がない”は嘘! 「更年期」「更年期症状」「更年期障害」を理解しよう
「更年期」という言葉、みなさんはどんな風に受け止められていますか?
・おばさんだって言われているみたいで嫌だ。
・女性として終わったのね、ワタシ……。
・更年期の人ってヒステリックなイメージ。
など、ネガティブに感じている人、女性でも多いかもしれませんね。なかには、「あの人、更年期だからね」などと、嫌味ワードのように使われてしまっていることもあったり……。
こうやって、更年期という言葉がネガティブなものになっていくと、自分が更年期の不調に悩んでいるということを打ち明けられにくくなっていきます。さらには、体調不良を感じても「私は更年期じゃない」と、本質を見ることを拒否して、適切な治療に辿り着けなくなってしまう。日本の更年期治療は、世界に比べて10年以上遅れていると言われています。その原因の一つがこの「更年期」の受け止め方にあるのでは?と思うのです。
今日は、混同されすい「更年期」にまつわる3つの言葉についてお話しようと思います。
まずは「更年期」。
よく「私は更年期がない」という言葉を聞きますが、これは嘘。更年期は誰にでも来ます。なぜなら「更年期とは人生におけるある一定の時期のことを指す」からです。日本人女性の平均閉経年齢は50.5歳。これをまたいだ前後10年間のことを更年期と言いますから、45〜55歳の人はすべて「更年期」となります。
この更年期の期間に、私たちの体は女性ホルモンの分泌が大幅に減少するため、さまざまな不調が起こります。
これが2つ目「更年期症状」です。
いわゆる「更年期がない」と言っている人は、この「更年期症状がない」ということを指していることが多いように思いますね。
そして、もう一つ「更年期障害」という言葉あります。これは更年期症状がひどく、日常生活に支障をきたす状態のこと。更年期症状で病院に行くと「更年期障害」と診断される段階です。
「更年期は」みんなに等しく訪れますが、「更年期症状」の程度は人によって異なり、症状がひどくなると「更年期障害」として病院で治療が必要になる。
「更年期」「更年期症状」「更年期障害」。知っているようで知らないこの3つの言葉を正しく理解すると、更年期に対しての誤解が少しずつ解けてくるのではないかと考えています。
ではいったい更年期に入ると体の中に何が起きるのかについては次回以降お話ししていきたいと思います。
【今日のまとめ】
★「更年期」は45〜55歳の期間のことなので、誰にでも訪れる。
★「更年期」による体調の変化により起こる不調を「更年期症状」と言う。
★「更年期」に起こる症状が出て「更年期障害」になる人と、ならない人がいる。
★「更年期症状」「更年期障害」はその人によって症状の内容や程度が異なる。