【第10日】笑顔を繋ぐ山頂で
母との再びの山登り
母との大切な思い出がある。あの山を一緒に登った日のことだ。その山は険しくはなく、低い山で、最初の八割はケーブルカーで登ることができた。ケーブルカーを降りた後、残りの二割を一時間ほど歩けば山頂にたどり着く。道中には、夏にはビアガーデンやレストラン、茶屋など、魅力的な休憩所がたくさんあった。
当時の母は信じられないほど元気で、私よりも足取りが軽かった。私が疲れて茶屋で休んでいると、母は軽やかに先へと進んでいく。しばらくして、山頂から戻ってきた母が、団子を食べながらのんびりしている私に向かって、「何をしているの?」とはきはきと言った。その笑顔と声を思い出すと、自然と私も笑顔になる。
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消えゆく記憶と共に〜双極症の私と認知症の母の日記〜
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私は双極性障害を抱え、母は認知症を患っている。病が進むにつれ、私たちは現実を見失い、自分が誰であるかもわからなくなる。そんな私たちは、まる…
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