遺憾砲より寒天砲
第二次世界大戦中、日本政府は寒天を軍事目的で輸出入禁止品目に指定した。
‥さすが日本政府の斜め上の外交!とこの一文を読んで思ってしまった。寒天の歴史は面白いのでちょっとまとめておく。
神戸や京都の北風は乾燥して冷たい。特に山から吹き下ろす強風は颪(おろし)といい乾燥している。六甲おろしに颯爽と‥つい歌っちゃうよね。
この風は厄介だけど保存食作りには欠かせない風。これを利用して沢庵や干柿、海産物の干物なんかも上手く出来る。
1958年、京都の美濃屋で天草を固めた心太を野外に放り出していたら偶然に出来たのが寒天。今で言うフリーズドライ製法。海藻の臭みや不純物が抜け、透明度が高い事が特徴。京都の和菓子などに利用される。そして製法は秘密にされ昆布同様、保存出来て軽いので収入源として各地に売り捌き、広まっていった。いまでは信州の特産品になっているけど発祥は関西だからね。持ち出した人物も特定されている。
その後、この寒天は思わぬ所で価値を高めた。微生物研究の培地。この特性は寒天にしか出せない為暫く日本の独占となる。これを日本政府が軍事利用したと言うわけ。表題回収
関西の風は冷たい。その特殊性を実感したのは関東に移り住んでから。1月、2月頃関西の八百屋には吊るし柿(干柿用の渋柿)が一盛りいくらで売り出されるが関東ではあまり見ない。たまーに売っていても高い。けど懐かしくて買って吊るしたら何日もかかってやっと出来たと思ったら黒くて少しカビてた。ところが、神戸で干したら翌日には乾燥してて色も綺麗。風が違うんだと実感した。
柿は渋があるので渋抜きか品種改良しないと食べにくい。柿を日本ほど多く食べる国はあまり無いらしい。
でもこの渋には抗菌作用や血流改善作用やらがある事が最近注目されている。
日本人は厄介な渋と厄介な北風を利用して干柿と言うスーパーフードを生み出した。
次回、干柿が持つ力について詳しく書いていこうと思う!気が向いたら!