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エフェクチュエーション・ポーカーのファシリテーター視点での問いかけ

エフェクチュエーション理論をゲームで遊びながら学べないか?というテーマで記事を書きました。

本記事は「エフェクチュエーション・ポーカー」を通じてエフェクチュエーション理論を学ぶために必要な"問いかけ"を中心にまとめました。

全体の流れ

  1. はじめに(全体説明、自己紹介など)

  2. エフェクチュエーション理論の概要説明

  3. エフェクチュエーション・ポーカーの実施

  4. 振り返りセッション


1. エフェクチュエーション理論の概要説明

参加者にエフェクチュエーション理論の基本的な概念と5つの原則を理解してもらう。

2. エフェクチュエーション・ポーカーの実施

ゲームを通じてエフェクチュエーション理論の原則を体験的に学ぶ。

ファシリテーターの役割

  • ルールの明確な説明:ゲームの進行手順とルールを詳しく説明する。

  • 進行管理:時間配分を管理し、スムーズなゲーム進行をサポートする。

  • 観察:各チームやプレイヤーの行動、意思決定、反応を観察し、後の振り返りで活用する。

注意点

  • 公平性の確保:ルール違反や不正がないように注意する。

  • 介入の最小化:ゲーム中は基本的に観察に徹し、必要があればサポートする。


各原則に対応した問いかけ

各原則に対応した具体的な問いかけを示します。


1. 手中の鳥の原則(Bird-in-Hand Principle)の問いかけ

  • 初期手札を見たとき、どのような戦略を考えましたか?

  • 手札の中で特に活用しようと思ったカードはありましたか?

  • 手札の交換を決める際に、どのような要素を考慮しましたか?

  • 持っている資源(カード)をどう最大限に活用しようとしましたか?

目的

  • 参加者が自分の持つリソースをどのように活用したかを振り返り、原則との関連性を理解する。


2. 許容可能な損失の原則(Affordable Loss Principle)の問いかけ

  • カード交換の際、何枚交換するかをどう決めましたか?

  • 交換によるリスクとリターンをどのように評価しましたか?

  • 大きなリスクを取ることと、確実性を重視することのバランスをどう考えましたか?

目的

  • リスク管理や意思決定のプロセスを振り返り、損失を許容できる範囲で行動する重要性を理解する。


3. クレイジーキルトの原則(Crazy Quilt Principle)の問いかけ

  • チーム内での戦略タイムでは、どのような話し合いをしましたか?

  • パートナーと協力してどのような戦略を立てましたか?

  • イベントカード「共闘(K)」が出たとき、チーム間の手札交換をどう活用しましたか?

目的

  • 協力やパートナーシップの価値を振り返り、共同で価値を創造することの重要性を理解する。


4. レモネードの原則(Lemonade Principle)の問いかけ

  • イベントカードによる予期せぬ出来事にどのように対応しましたか?

  • 計画していた戦略を変更する必要がありましたか?

  • 予期せぬ変化をチャンスとして活用できた場面はありましたか?

目的

  • 不確実性への対応や柔軟性の重要性を理解し、変化をポジティブに捉える姿勢を学ぶ。


5. 飛行機の中のパイロットの原則(Pilot-in-the-Plane Principle)の問いかけ

  • ゲーム中、コントロールできる部分は何でしたか?

  • 不確実な要素がある中で、自分の行動で結果を変えるために何をしましたか?

  • 自分の意思決定がゲームの結果にどう影響したと感じますか?

目的

  • 自分でコントロールできる行動に集中することの重要性を理解し、主体的な姿勢を養う。


3. 振り返りセッション

ゲーム体験をエフェクチュエーション理論の原則と結びつけ、学びを深める。参加者同士で意見を共有し、多角的な視点を得る。

ファシリテーターの役割

  • 問いかけを通じた誘導:適切な質問を投げかけ、参加者が自ら気づきを得られるようにする。

  • ディスカッションの促進:参加者間の意見交換を促し、活発な議論を引き出す。

  • まとめとフィードバック:議論の内容を整理し、学びのポイントを明確にする。

全体的な問いかけ

  • ゲーム全体を通して、エフェクチュエーション理論の原則を体感できた場面はありましたか?

  • このゲームの体験を通じて、現実のビジネスやプロジェクトにどのように応用できると思いますか?

  • チームワークやコミュニケーションについて、新たな発見や学びはありましたか?

ディスカッションの促進

  • チームでの共有:チームごとに振り返り、その後全体で共有する。

  • 視点の多様化:異なるチーム間での戦略や対応を比較し、学びを深める。

  • フィードバックの交換:他の参加者からの意見やアドバイスを受け取る。

まとめ

  • 学びのポイントの整理:ディスカッションで出た主な学びをまとめる。

  • 理論と実践の橋渡し:エフェクチュエーション理論を現実のビジネスシーンでどのように活用できるかを考える。

あとがき

エフェクチュエーション・ポーカーは、ゲームを通じて起業家的な思考や行動を体験的に学ぶ優れたツールです。ファシリテーターは適切な問いかけとサポートを通じて、参加者の学びを深めることができます。エフェクチュエーション理論の各原則を具体的なゲーム体験と結びつけることで、理論と実践の橋渡しを効果的に行うことが可能です。

エフェクチュエーションのマガジン


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柏木誠|プロジェクトデザイナー
アレとソレを組合せてみたらコノ課題を解決できるソリューションができるよね?と言うパズルをやるような思考回路です。サポートして頂いた費用は、プロジェクト関連の書籍購入やセミナー参加やAIの研究の資金にします。
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