議論の場のデザインと思考サイクルの考察
議論メシの黒田さんとサシで1時間ディスカッションしてきました。特に盛り上がったのが「議論メシ」と私が昨年末から始めた「〇〇担当の問題意識を共有する会」のディスカッションコミュニケーションの比較でした。
それぞれを比較し、同じ部分・違う部分を確認することで、改めて「〇〇担当の問題意識を共有する会」の価値が明確になったので、今回はそれをまとめておきたい。
まずはそれぞれの紹介(黒田さんを説明する必要があるのか?とは思いましたけど念の為)
1章-1.黒田 悠介さん
note
黒田さんはさらに日本経済新聞とnoteが共同で行う「Nサロン」の中で「知のプラットフォーム」の中長期的な設計を考える会議を担当しています。
1章-2.議論メシについて
サイトより概要
「議論メシ」は、多彩なメンバーがディスカッションでつながる会員制の共創コミュニティ。年間100回以上のオンラインディスカッションと200回以上のリアルイベントから、興味関心に合ったものに参加できます。
自分の抱えている問いを差し出せば、メンバーがディスカッションして前に進めるヒントをくれる。逆に、他のメンバーの問いをディスカッションすることで、発想力や対人知性も自然と高められる。さらに、ここでしか聞けない知識・経験もインプットできる。
そんなディスカッションを中心にしたコミュニケーションのおかげで、メンバー同士が自然とつながり、コラボレーションや新しい仕事・生き方につながっていく共創コミュニティ。
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続いて私がやっていること。
2章.〇〇担当の問題意識を共有する会について
■概要
基本は招待制の、同じ職種・同じ担当・同じ職責など、同じ属性の人だけを集めて1時間ほど問題意識を共有するだけの会
■流れ
・4〜5人でテーブルに分かれディスカッション(問題意識の共有)を1時間行う。
・各テーブルごとにホワイトボードを用意、話した内容を書いてもらう。
・1時間過ぎたら一旦終了、各テーブルごとに2〜3分で話した内容を全員に共有する。
・その後でビールとピザを片手に語り合う。
・ホワイトボードの内容は、よいビールのおつまみになる。ディスカッションを誘発する。
豆知識
この「〇〇担当の問題意識を共有する会」は、巷では「ござ先輩」と言われている人が始めた「IT企画をちゃんとやりたい勉強会 Vol.1、Vol.2」というイベントに参加して、非常に面白かったので、職種を変えてはじめました。違うのは、私が主催しているのは招待制という点のみ。
第1弾として12月に「事業開発担当の問題意識を共有する会」
第2弾、第3弾もただ今仕込み中です。
第1弾の模様を書いたnoteはこちら
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3章.議論をする場の比較図
※参考までに「プロジェクトの会議」も比較対象としてみます。
ぞれぞれの図解してみます。
3章-1.プロジェクトの会議の図解
課題を解決するためにディスカッションします。
3章-2.議論メシの図解
問いを囲んでディスカッションを行うイメージ。「興味深い問いをありがとうございます」という言葉がFacebookグループのタイムラインで散見されるくらい、「議論メシ」では問いを重視しているそうです。
3章-3.〇〇担当の問題意識を共有する会の図解
各メンバーの問題意識を語ります。
同じことを言っていても、それぞれ解像度も異なり、何か違和感もあります。(フォントの違いで表してみました。)問題意識は全般フワフワしています。これをディスカッションコミュニケーションで解像度を上げていきます。
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比較することで見えた「〇〇担当の問題意識を共有する会」の価値は問題意識の解像度が向上する。
「議論メシ」はより俯瞰して様々視点を得られる。「〇〇担当の問題意識を共有する会」は視点を問題に近づけ解像度を上げる。
「問題意識の解像度が上がる」ということは、議論メシ風に言えば、「良い問い」を投下できる確率が上がるということ。
経験が浅いメンバーならば、足らないパーツを補うこともできますしね。
ちなみに主催者側のメリットは
「主催者サイドがその領域における問題意識を一気に吸収できる。」これが最大のメリット。
なぜなら問題意識を理解していると、その領域の他の誰かと話すときに、彼らの言葉で話せるから共感が得られやすい。
参加者メンバーは、同じ問題意識をもった仲間が社外にできる。
主催者側は、問題意識という内なる生の声を聞け共感力がアップ。
※参加者側も主催者と同じ認識・感覚の人も多かった気がする。
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ちょっと別の視点での考察。
4章-1.思考サイクルの話
「〇〇担当の問題意識を共有する会」の思考サイクルについて、「言葉ができる」は武器になる。に共感できる部分があったのでまずは引用したい。
「人に話すことで、悩みが解消された」という経験を持つ人は多いと思う。これはまさに、頭の中に浮かぶ内なる言葉を外に出すことで、頭の中に考える余地や空間が生まれた状態であると言える。
ここで重要なのは、頭で考えていることを誰かに「話す」ことではなく、頭の外に出し 自分と「切り離す」ことである。内なる言葉を一旦、強制的に外に出すのだ。
すると、思考と記憶が切り分けられるため、考えを進めることに集中できるようになる。 その結果、「ふわふわと考えていたことは、実はこういうことだったのか」と気付くこと ができるようになるのだ。
自分の中に「思考サイクル」をインストールする。
・思考を漠然としたものでなく、内なる言葉と捉える。
・内なる言葉を、俯瞰した目線で観察する。
・そして、考えを進めることに集中し、内なる言葉の解像度を上げる。
上記を当てはめてみる。
4章-2.〇〇担当の問題意識を共有する会、参加メンバーの思考サイクル
多分「〇〇担当の問題意識を共有する会」の参加メンバーの思考サイクルはこんな感じ(かな?)
「〇〇担当の問題意識を共有する会」は、同一職種などの同じ属性のメンバーが「内なる言葉」を「話す」
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「話す」ことで頭の外部にでる。即ち「記憶」からの「切り離し」。
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同じ背景をもつメンバーは些細な違いを汲み取る事ができる。
また「問題意識を共有するだけ」という場のデザインが大きく寄与している。
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そのため、参加メンバーは意図せずに「記憶」との「切り離し」をサポートしてくれる。皆がファシリテーター。
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頭の中では、自分と他人の「内なる言葉」を比較して、共通項に共感したり、そうでない部分は聞いてみたりと、意図せずに解像度を上げている状態。
つまり自分の中に「思考サイクル」をインストールする作業を、その場では皆やっていたのではないか?
という仮設。
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「〇〇担当の問題意識を共有する会」次回も決まっているので意識して観察してこよう。そして「〇〇担当の問題意識を共有する会」のアップデートを行いたいと想う。
本日はここまで。
謝辞
黒田悠介さん、議論ありがとうございました!
比較することで、見えていなかった部分も発見できました。
またディスカッションしましょう!