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声好き

声が好き。

こう書くと昨今は「推しの声優さんがおるんかな?」と思うこともあるかもしれない。

今更なのだが、透き通った声のヴォーカルグループや歌手をいいなと感じる傾向にあるようだ。

エンヤ
ザ・キングズ・シンガーズ
ANUNA
青葉市子
ジェイコブ・コリアー

いつ何時も聴いている訳ではなく、一周して戻ってくる場所という感じだろうか。

他の音楽を聴いて感激することはあるが、
上記のアーティストは「ふぁーっ」「ふわーっ」となる。

鼻歌の延長線、吹き抜ける風のように、流れがある声や歌い方なのだ。
いい意味で「伝えたいものがあるんだ!」という主張が強すぎず、声や音、空気を楽しんでいるのが伝わってきて、力が抜ける。

その中でも、ずっと好きな曲を紹介してみる。

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⭐︎エンヤ
「May it be」
「ウィンターナイト」

「Orinoco flow」など、世界中で大ヒットを飛ばしたアイルランド出身のエンヤ。
俗に言う「癒し」系なのだが、底知れないほど、深い。「癒そう」というより「良い音楽」を追求した結果、スタイルが出来上がった気がする。

「May it be」は「どれだけ貴方は遠い道のりを歩んできたのでしょうか。」みたいな歌詞が好きだ。ふと思ったけど、キリスト教圏って「共にある」概念強いよな。
同じく歌詞が優しい系の曲でも、日本は「みんな一つに繋がっている」「1人じゃないよ」といったようにひとつになりたい傾向が強い気がする。
欧米は別個の存在というものに前提にあった上で「共にある」という気がする。面白い。
「ウィンターナイト」は鈴が鳴る楽しいクリスマスソングだ。銀世界に包まれた冬、クリスマス前の楽しさを感じれる。夏でもたまに聴いてます。
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⭐︎ザ・キングズ・シンガーズ
「Ding dong Merrily on high」
「Ashita no uta」

ザ・キングズ・シンガーズは、男声6人のアカペラグループだ。ケンブリッジ大が母体となり、メンバーチェンジを行いながら、50年以上続いてきたグループらしい。とにかく上手すぎることと、レパートリーが幅広すぎる。
バードやジョスカンデプレといった中世の声楽アンサンブル〜リゲティや武満徹などの近現代までクラシックは勿論、ディズニー、ビートルズ、果てはBTS、アリアナグランデまで、表現スタイルを変えて、歌う。男声アカペラというジャンルで、もうこれ以上ないというほど、技術も表現もナンバーワンだと思う。
「Ding dong Merrily on high」はクリスマス・ソングだ。ノリ良く旋律がコロコロするところのハモリやバスの弦を弾くようなアレンジが楽しい。後述のANUNAや欧州の色んな合唱団が歌っているので、向こうでメジャーなクリスマスソングなのだろうか…?
「Ashita no uta」は木下牧子さん作曲の日本語の歌だ。歌詞を歌い始める前、全員でハモる箇所が、何かの生き物のように声が美しく膨らんで閉じて、伸びて縮んで、ゾワっとした。
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⭐︎ANUNA
「Whisper of paradise 」

ANUNAはアイルランドの男女混声の合唱グループだ。アイルランドの音楽を中心としており、ハーモニーが神秘的だ。
高校の先生が、アイリッシュダンスグループ「リバーダンス」のDVDを紹介してくれた。踊りも凄すぎるのだが、BGMで合唱を歌っていたグループの声の綺麗さにもビックリした。
「リバーダンス」のスーパーダンサー、マイケルの真似をクラスメートがやってたなぁ笑
朧げだが、ANUNAはその合唱グループが母体だったと思う…。近年ANUNAは、ダンジョン飯やゼルダのBGMにも参加しているみたいだ。
「Whisper of paradise 」は男性のソロから始まる。誰が歌っているかは分からないが、この方の声が甘くて素朴で素敵だ…!
湖の湖畔で、時が止まり、凪いでいるようなイメージ。
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⭐︎青葉市子
「羊のアンソニー」
「月の丘」

青葉市子は、中学生から好きだ。
だいぶ前になるが、コンサートを数回聴きに行った。「透き通った声は録音だからじゃないの…」と思っていたのだが、そんなことなかった。会場にいる全員が、青葉さんの音楽を一音一音余さず、見守っていた。空間全体の雰囲気を包むような、音と声だった。素朴&透き通っている世界観に注目されがちだが、ギター、和音の進行、発声、曲の運び、音楽の感性&技術を、とても自然に奏でているのが、マジの天才だと思わされる。
最初はギター弾き語りというシンプルスタイルだった。それも好きなのだが、近年は弦楽アンサンブルがバックについたり、海外ツアーを行ったり、どんどん活動が広くなっている。
「羊のアンソニー」は、雰囲気と歌詞がとても好きだ。昔は夜この曲を聴きながら、眠りに落ちた日もあったな…。
「月の丘」は、ほっとして落ち着く。回る天体とか星空のイメージ…!
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⭐︎ジェイコブ・コリアー
「リトル・ブルー」

ジェイコブ・コリアーは何年か前に知った。凄すぎてビビった。歌、ピアノ、打楽器、ギターほぼ全ての楽器を弾きこなす。その上、クラシック、ジャズ、ロック、ラップ…ジャンレスで、彼なりの和声理論も確立しているようだ。シュアーのマイクともコラボするレベルなので、音響や機材に対する造形も深い。音楽という世界を楽しみ、余すことなく全てモノにする天才。星野源が彼のファンらしい。ハイになりたい時に「Count the people」をたまーに聞く程度だった。彼が着る柄×柄のファッションのように、カラフルで、テンションが高い音楽というイメージをずっと持っていた。
が、最新アルバムに収録されたリトルブルーはとことん優しかった。「闇を恐れないで」「光に向かって歩こう」どちらか一方が歌われがちだが、どちらも歌っていた。途中「そう行くんだ!」という面白くて綺麗な転調によって、違う世界が一瞬覗けた感じがして、痺れました。これぞジェイコブ・コリアー。
最新アルバムは全体的に優しい。
明るさや楽しさはそのままに、より音楽を信じていて、彼の声が音の世界の一部になっているような印象を持ちました。
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青葉市子以外、イギリスやアイルランドのアーティストだ。他の地域と比べるのはナンセンスなんだけど、クイーン、ビートルズ、サム・スミス、歌声やハモリが魅力的な歌手が沢山いるよね。
なんで?
どんな音楽教育や発声の指導してるのか、音楽に関わりのない人でも、歌やハマりの相対的なレベルが高いのか。文化的な文脈が何かあるのか…。
非常に気になる…!!






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