読書感想:食べて飲んで、生きていれば

こんにちは。今日も読んだ本の感想を。
今回は原田ひ香さんの「ランチ酒」。小説です。
本を読む習慣がついたこの1年であんまり小説って読んでこなかったんですけど、「酒」というワードにひかれて買いました(笑)

あらすじ

「みまもり屋」ていう珍しい職種で夜から朝まで働いている主人公。彼女の癒し・楽しみは仕事を終えた昼時のランチとお酒。ランチやお酒を堪能しながら、今日一日あった出来事を振り返る・・・・そんなストーリーです。

登場する料理と酒に食欲が掻き立てられる。。。

 この「ランチ酒」もそうですが、小説に料理が登場すると、なんでこんなに食欲が掻き立てられるのでしょうか。。中学時代に読んだ「つるかめ助産院」に登場する「島料理」とかもすごく印象に残っていました。食べ物が登場する小説は昔から大好きなんですよね~。映像がないから、文字上でどんな味か想像しなきゃいけないんですけど、逆に想像できる「余白」があるからより食べたいっていう欲が広がるんですかね。。

 ランチ酒、、、もうね、料理と酒の味の表現が素晴らしいんですよね(語彙力皆無)

たれが甘すぎないし、多すぎないので、鰻とご飯のうまさがはっきりとわかる。
そこで、会津ほまれを一口。鰻の脂に、辛口の酒がよく合う。
__うな重というのは、アルコールと炭水化物のマリアージュの中では最高の組み合わせなのではないだろうか。
 時々、さっぱりしたお新香を挟むと、またこれがおいしい。

原田ひ香「ランチ酒」
第十四酒「不動前 うな重」P274

 あんまり日本酒も飲まないし、まずうな重でお酒を飲むという経験がないので完全にこの文章から味を想像するしかないのですが、ぜひ、、経験したいなあと思いました。一見、うな重と日本酒って?なかなかなさそうな組み合わせと思ったんですけどね~。鰻の脂と辛口のお酒、そして箸休めでありアクセントのお新香。あああ、これはぜひ経験したい、絶対うまい。。
他にもこの本のおかけで料理×酒の組み合わせをいろいろ変えてみたいなあと思いました。わたし味バカなのでいつもどんな料理にもビールかハイボールなんですよ(笑)

主人公の生き方がすき

 この本は仕事だけではなく、主人公の家族関係だったりも描かれているんですよね。主人公は30代前半の女性なので、自分よりは年齢が上です。だからこのストーリー内で主人公が戦っている悩みは、自分がおそらくこれからぶち当たるだろう悩みなのかもしれない・・・と感情移入してしまいました。
 正直、目をふさぎたくなるくらい苦しい経験をこの主人公はするんですよね(ネタバレになっちゃうので伏せますが・・・)だけど、この主人公は自分の中で戦いながら、もやもやを抱えながらも、自分なりの答えをだす。人のせいにしない。自分のことを理解しているからこそ、悩みと向き合うことができるんだなあと思いました。この主人公、かっこいいですし、こんな大人になりたいなあと思いましたね。

私は食べて、飲んで、生きていく。そして、生きていれば何かが変わり、それはどこかであの子につながる。

原田ひ香「ランチ酒」
第六酒「御茶ノ水 牛タン」P115

この主人公の言葉が好きなんですよ。これを見たときに、「アンナチュラル」というドラマ内で主人公のミコトが言った「絶望してる暇があったらうまいもん食って寝るかな」という言葉がよぎりました。人生って大体はうまくいかないけど生きてさえいれば、なにかを変えることだってできるかもしれない。というか生きていくしかないんですよね。生きるために、好きなもの食べて飲む。また食べて飲むため、に生きる。だからわたしも「食べる」「飲む」を大切にしようと思いました。元気になるもんね。

もっと「食」と「酒」を楽しんでみたい

この本を通して、生き方もすごい参考にになったんですけど、一番はもっと「食」と「酒」を主人公みたいに堪能できるようになりたいなあと思いました。今までの私(まあ金がない独身女性なので)って、酒は手っ取り早く酔えるもの、「食」はカロリー控えめで食った感あるもの、、みたいな選び方をしていたんですよ(笑)だからあんまり楽しむというより「欲を満たす」みたいな感じ(笑)
この本を通して、うまいものを食って飲めば元気ってわいてくるんだなあと思ったし(短絡的)、「味」に気づくことができると人生おもしろいよなあって思いました。だから、せっかく都会にでてきたのでいろんなお店見つけてみたいなあと思います!


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