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人間を形作る4つの構成体

シュタイナー教育の原理は、発達段階に対する独自の解釈と人間を形作る4つの構成体に対する見解の上に形成されています。今回はその4つの要素についてまとめていきます。

1.物質体
0才で生まれる。体そのもののこと。引力によって上から下に落ちていくもの。引力の法則に従う部分。鉱物界の物体。4つの中で唯一目に見える。
2.生命体/エーテル体
7才頃生まれる。花や草木のように引力に逆らって下から上へと伸びていく力。起き上がる力。成長や繁殖を司る力。植物は物質体とエーテル体で構成されている。“気”のようなもの。
3.感情体/アストラル体
14才頃生まれる。快・不快を伴う動き。喜怒哀楽と結び付いた動き。動物と人間にあり、植物にはない。5感によって目覚める外界の知覚。
4.自我
21才頃生まれる。考えたり言語を話したり、「私」という意識を持っていることのしるし。人間だけのもの。願い、理想、未来へのビジョン。目標や過去の認識。

・エーテル体の誕生と役割

人間はまず物質体だけで生まれてきて、残りの3つの要素は膜に包まれながら徐々に発達していく。エーテル体は膜で守られながら体の発育を司り、五感や体の動きを身に付ける仕事をする。生えてくる1本1本の歯が、「体を形作る、作り上げる仕事が1つ終わりました」というエーテル体からのメッセージであると捉える。歯が生えかわる頃にエーテル体は膜の外に出て独立し、それまでの体を育てる役割からある程度解放されることになる。それが体作りの1つの区切りと考えられている。独立後は記憶力を司る。

・アストラル体の誕生と働き

未分類で大まかな状態にある感情を、豊かで微妙なニュアンスが識別できるように育てていくのが保護膜の中でのアストラル体の仕事である。思春期に至るとアストラル体は臨月を迎え、膜の外に出ていく。その後は抽象的な物事を論理的に把握する思考力へと変容する。

・自我の誕生と人格の完成

アストラル体が外へ出てくる思春期になると、抽象的な思考力がどんどん働くようになる。思考・記憶力・体力を総動員しながら自分で自分の行動を決断できるようになる。それは大体21才前後のことで、それらの力が備わるまでは社会的な責任の伴う決断はさせないことが重要。

シュタイナー教育ではこの4つの構成体が人間にあると考えられており、それぞれが0才、7才、14才、21才頃に生まれるとされています。それを踏まえて、そのことを「七年周期説」とし、それぞれの時期の教育的課題を設定しています。
4つの要素のうち、目に見えるのは物質体のみ。しかし、「心の眼を働かせればエーテル体もアストラル体も自我もみんな見えるはずだ。それが見えなければシュタイナー教育は出発できない。」とシュタイナーは述べています。とは言え、エーテル体を見る、アストラル体を見る…ということをすぐに習得するのは難しいことのように思えます。まずは生徒をよく観察し、体・感情・自我の発達段階を見極めることから始めたいと思います。
次回は「七年周期説」と周期に合わせた教育的課題についてまとめていきます。

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