見出し画像

016.バイアスフリーなアウトプットをするための心の訓練

今日から2月です。このnoteも毎週更新を続けて2ヶ月が経過。書くのは楽しいし、僕の頭の整理・言語化にはすごく良いのですが、必ず5,000文字以上書くことにこだわり過ぎました。長文の生煮えの考察を、皆さんに浴びせるのはいかがなものか、独りよがりだったと反省しまして、少しずつ文字数を減らしながら、皆さんのご機嫌を伺っていこうと思います。

というわけで、仕切り直して。


さて、1月はとても嬉しいことがありました。端的に言うと、色々な方達との再会や対話がとても刺激的だったことです。刺激や学びは、僕自身の喜びに直結しているようです。
具体的には、SNSをきっかけに、古巣の同僚・仲間たちが、私の関わる施設に足を運んでくれて、退職後数年ぶりの再会、今何をしているのかを語り合いました。他にも、事業におけるセンシティブな相談を伺い、色々提案をしてみたり、ワークショップ仲間とお互いの学びをシェア・フィードバックしあったり・・・どれも濃密で有意義な時間でした。

僕自身はもちろん楽しいのですが、このような時間を過ごす中で、僕だけでなく、ご一緒した人たちも同様に楽しんでくれたり、気づきがあったと喜んでもらえたり、悩んでいた人が「もう少し頑張ってみます!」と前向きになってくれることが増えたりして、「あ、これ、もしかしたら、喜ばれているのかな?」って思えるようになったのが、ここ2〜3年の話。

僕も仕事柄、いわゆる事業の相談・壁打ちの相手をしたり、プライベートも含め相談されることが多いので、もし喜んでもらえるなら、相手の話題に対して、独創的というと大袈裟だけど、僕なりの視点・解釈・表現・アイデア・企画・発想を織り交ぜてアウトプットしてみようと、こだわるようになりました。

仕事でもプライベートでも、複数人でアイデアを出し合いながら、何かを決めていかなければいけないタイミングって、皆さんにもあると思います。対話を通じてアイデアなどアウトプットが必要な時に、僕は、以下の4つを意識しているので、それをご紹介します。

  1. 思いついたことは口にする

  2. 出し惜しみしない

  3. (できるだけ)相手の領域ではない視点から話をする

  4. 空想ではなく、存在している物事からイメージを膨らませる

思いついたことは口にする/出し惜しみしない

年齢もあるのかもしれませんが、「こんなこと言って良いのかな」「的外れなら恥ずかしい」とか、そういうことを考えなく無くなりました。

これ実はすごく大切なことで、自分が相手のゴール(求めてるもの)に毎回・的確に返せると思っていることの方が、そもそも思い上がってる気がします。(もちろん、それができるスゴい人もいますが、)少なくとも、僕はそんな天才ではないから、僕はとりあえずトスを上げ続ける、相手もそれに反応してるうちにお互いが触発されて、結果的にゴールを見つけるかもしれない。

そして、基本的には出し惜しみせず、ポジネガ両面を率直に伝えるのが僕の姿勢です。相手のことを思うなら、なおのことです。相手がそれを受け入れるかどうかは、どちらでも良くて、まずは自分の考えを伝えたうえで、相談主の反応を見て、軌道修正すれば良いのですから。

とはいえ、慣れるまで、的外れかもしれないことを口にするのは難しいでしょうから、僕が頻繁に使う便利な枕詞を3つほどお教えします。

  • 釈迦に説法ですけど・・・

  • 素人質問で恐縮ですが・・・

  • 思いつきのアイデアですが・・・

これを知っているだけで、話しやすくなりますので、試してみて下さいね。

相手の領域ではない視点から話をする

同じ領域の人だけで話すと、そもそもの業界の常識、会社・組織の文化などのしがらみから逃れられず、発想のジャンプに行き詰まることが多いと言われます。だから、第三者に訊くことで、想像もしてなかった角度の答えが得られる可能性がある。それがビジネスにおいては重宝され、オープンイノベーションの一つの価値になっているし、プライベートであれば、2〜3年に1回程度しか会わない友達の存在も、それに近いかもしれません。

御多分に洩れず、僕に相談してくる人も、僕がその業界の専門家ではないことを理解した上で、僕の突飛な話を楽しんでくれています。なので、僕は、「業界の常識は、世間の非常識」ぐらいに斜に構えて、素人だからこそ感じる違和感などを遠慮なく口にします。
そういう意味で、僕はバイアスフリーなアウトプットを心がけており、自分がこれまでやってきた経験・知見・領域から、相手にはない目線・視点できっかけを提供できたらと考えています。

空想ではなく、存在している物事からイメージを膨らませる

アイデア/アウトプットの行き詰まりって何?ってことなんですが、それは考えるための材料・選択肢が少ないことだと僕は思っていて、相談主の僕への期待の8割型は、相談主の思考をかき乱すことだと割り切っています。
つまり、相談主の中では「AかBで悩んでるけど、やっぱりBだ!」と思っていることに対し、「本当にそうなの?」「僕ならこんな選択肢も考えるけどな」「世の中にはこんなものもあるよ」と、違う視点を提供し続けています。

もちろん、否定したり、僕の価値観を押し付けるつもりはありません。だって、あなたのことだもの。あなたが考えることに意味がある。だから、僕が思いつくリスクも、共感ポイントも伝える。さらに言えば、そのプランに構造的な類似がある具体的な事例や、(成功/失敗)事例やそこから連想されるアイデアを提示します。

それだけの考える材料がテーブルに並んだ時に、改めてあなたに問う。

さっきのプランBで良いのですか?
もしくは、Aにしますか?
それとも、Cについて考えますか?

大切なのは、心の訓練をすること

要は、自分の知識の幅を可能な限り広げて、相談主の悩みや課題に関連しそうなものと結びつけて、その領域の知識や経験をバイアスフリーに引っ張り出してくるのが僕のやり方なので、多面的・多層的に知識が広がるような学びと刺激が僕にとっての大好物なのです。だから、僕にとって、自分の雑多でカオスなインプットはとても重要。

でもね、インプットをするだけなら比較的誰にでもできることなんだけど、自由に使いこなせない人をこれまでたくさん見たことがあります。それってすごく勿体無いどころか無意味。なので、僕は、いつでも引き出せるように、知識の出し入れがスムーズになるような努力もしています。その工夫についても触れておきます。

ジェームス・W・ヤングの『アイデアの作り方』という超有名な本がありますね。1940年刊行で、80年以上経った今でも読まれ続ける名著として有名です。たった100ページ弱の薄い本で、60分もあれば読めてしまいます。

この本の中で、「心の訓練」という言葉が出てきます。
知っておくべき大切なことは、あるアイデアを探し出してくることではなく、すべてのアイデアが作り出される方法に心を訓練する仕方だ、と、彼は述べています。さらに、<急速に古ぼけてゆく事実>と名付けられているものが「知識」なので、特殊な断片的知識は全く役に立たないとすら書いています。その上で、

アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない

ジェームス・W・ヤング/『アイデアの作り方』

と、今でこそ、どこでも見かける文言は、ここに記されています。そしてその後にこう続きます。

既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい。アイデアを作成する際に私たちの心の働き方が甚だしく異なるのはこの点であると思う。個々の事実がそれぞれ分離した知識の一片にすぎないという人もいる。そうかと思うと、一つの事実が一連の知識の鎖の中の一つの環(わ)であるという人もいる。

簡単な例も記載されています。

「広告」と「精神病理学」の間に関係性はありますか?

何もない!と考える人ももちろんいますが、関連性を見つけ出す人もいるのです。これが心を訓練するということです。

ちなみに、僕は新卒で入社した会社の二人目の上司が理不尽で大嫌いで、このストレスをどう発散すべきか悩んでいた時に、「格闘技」にその答えを見出しました。でも、汗をかくことによるストレス発散が目的ではありません。僕の大好きなデビッド・フィンチャー監督の映画『ファイト・クラブ』を観ていて、いざという時は上司をぶっ倒してやれ🤛って思うようになって、ストレスから解放されました(笑)

心の訓練=関連性を見つけ出すためのワーク

先日LINE公式アカウントの皆さんにアンケートをとったところ、「セレンディピティを引き起こすTipsが知りたい」という回答が圧倒的に多かったです。勘が良い人はもう感じていると思いますが、この関連性を見出す才能は、セレンディピティを引き起こす思考とほぼ同一だというのが僕の考えです。

そして、ジェームス・W・ヤングも、この才能は後天的に身につけられると言い、僕もセレンディピティを同様のものと捉えています

なので、今日は、私が研修で行っている「着想〜バイアスフリーな新結合」というワークをご紹介して終わりにします。

紙の真ん中に何でも良いのですが、例題として「いちじく」と書きます。りんごやみかんほど、そこまで身近すぎない、少し抽象度の高いものにしました。

いちじくから連想される感情、物事、特徴などをマインドマップ的に放射状に広げていってください。例えば、味・産地、調理の仕方、形、色などがわかりやすいかもしれません。正解はないので、あなたが、この「いちじく」からどこまで連想を広げられるか、可能な限りやってみてください。(時間は20分です)

ここで、僕が大事にしたいのは、いちじくだから「果物」に関して広げるというのは、ある種の枠組みに囚われている証拠(それぞ、バイアス)で、そこから思考を解放するということ。

そんな三上が実践した例はこのような感じです。放射状に広がっています。

三上の実践例

今回、LINE公式アカウントに登録いただき、投稿の連番である「016」とチャットをくれた方には、このワークシートを差し上げます!
加えて、15分ほどで僕が連想したものですが、そんな広げ方があるのかとか、三上の頭の中を少し覗いて楽しんでいただけるような三上の実践例画像も一緒に送ります。お楽しみに!



NOTEのいいね&フォロー&コメント嬉しいです。
公式LINEアカウントへの参加も併せてよろしくお願いします!

🔽LINE公式アカウント『Serendipity 4th Place』

こちらから登録できます。登録無料!

最後に、セレンディピティに関して動画で楽しみたい方は、
三上のインタビュー動画を、こちらから無料でご覧になれます!!


いいなと思ったら応援しよう!

三上浩紀 | Catalyski CEO/バイソシエーター
いただいたサポートは、私の知見を広げてくださる出会いとの交流に充てます。具体的には、お茶代、本代、もしくはここで繋がった方とのコミュニケーション代などです。それをnoteへの投稿で還元していきたいと思います。

この記事が参加している募集