セオリーを無視した、私の指導術
「新R25ワイドショー」というビジネスパーソン向けのお題が出され、その回答を一般人も投稿することができるサービスがあります。
今回、『セオリーをあえて無視!あなたの“逆張り仕事術“を教えてください』というテーマが出ましたので、それを深掘りしてみたいと思います。
「教えない」教育が美徳とされた時代
新人教育において、うちの職場では「答えを教えず、本人に考えさせる」ことを美徳する風潮がありました。
確かに、それによって生み出された功績もあると思います。
リチウムイオン電池やヒューマノイド、iPS細胞など過去に前例の無い発明や発見が日本に多いのは、こうした「自分の頭で考える」教育的な背景があることも要因の一つだと思います。
手を伸ばせばいつでも情報に手が届く時代の生き方
今の時代、上司から教えなくても、ググれば何でも類似情報は色々出てきますし、SNSで投げかけたら、自分と同じ境遇を辿った仲間が色々アドバイスしてくれます。
誰しも情報に晒されないまっさらな状態の人は今の時代いないと思うのです。
あえて、すべてを伝える
そこで私は新人教育の際、「自分がその本人だったらこうする」という自分なりの答えを、最初に細かい手順を含めて全部伝えるようにした上で実行してもらうようにしています。
中途半端な知識で自力で考えさせるよりも、特に最初は成功体験を積ませた方が良いと考えるからです。
そうして経験を積ませてからは、次は自分の言葉で手順や具体的な方法を説明させます。そうする事で、自分の知識を整理させたり、議論する事で理解を深められます。また、そうして自分で理解し発した意見になれば、時にはトレーニーがハッとさせられるアイディアも徐々に出てくることでしょう。
ある程度、自分の言葉で説明できるようになれば、実践あるのみ。あとは独力で徹底的に経験させ、トライ&エラーで実地で学ばせます。
成長は、頭の中だけでは起こらない
もちろん分野にもよりますが、ほとんどの事象では、考えるだけでは学びが深まりません。考えた事を実践し、フィードバックを得られたとき初めて、自分の考えと結果のギャップに気づき、それが学びや発見となって成長があるのです。
自転車の乗り方を学ぶのと同じで、言葉や知識を断片的に伝えて考えさせるだけではいつまで経っても上手に乗れません。隣で補助をしてあげ、成功体験を少しずつ積ませてあげましょう。乗れるようになれば、一人でどこまでも遠くにさまざまな事に挑戦でき、大きな学びと成果を上げる事でしょう。
何も教えずにゼロから創造させるより、得られた選択肢を元に創意工夫させたり、取捨選択させる事に考える時間を作ってあげた方が、これからの時代、本人の身になるのではと、勝手ながら思って指導させて頂いております