「凍朝」
四時の半分を過ぎた時に目が覚めた
眠りに落ちてから意識は
深く落ちていくが、
その先が浅い。
日の出までまだ二時間近い
霧雨の降る朝である。
片手で数えられる気温
水分が凍結するまで間も無い。
「心は握り潰して」
頭頂から爪先まで凍える朝
思考の回転すら
凍えて止まってしまいそうである。
「私は、生きていますか?
気でも違えそうで」
重く伸し掛る朽木の塔
私は木偶であり、人では非ず
耳を劈く絶叫
生きて、贖え
迷惑ばかりかけている人生
少しでも受けた恩を返し給え
息を続けているうちに
約束をこれ以上破らぬように