【まくら✖ざぶとん】⓵⓷⓪『お家騒動』
えー、冷夏ではじまった令和の初夏をにぎわせているのは芸能事務所の話題、エンターテインメント業界で一時代を築いたJ務所のJさんが亡くなったかと思えば、間髪入れず芸人系事務所のY興業が大混乱。
これまでもJ務所のお家騒動や角界のお部屋騒動を風刺してきたまくらとあっちゃ、上方の最大手企業のそれも取り上げぬわけにゃいかず、上層部が会社を「ファミリー」と謳うならまさしくお家騒動。
事の発端は事務所を通さぬ「直」営業、列席した芸人が一席ぶってギャラがペイされたパーティーの主催者が反社会的勢力だったら一大事、詐欺で巻き上げた黒い金ならまさに暗黒の闇営業。よくよく話を聞けばそれを見破るのもまた困難、反社との接触を脊髄反射的には避けられなかったにせよ、即座に謝れば酌量もされたが嘘つきで隠ペイしたのが運の尽き。
もとよりパシャパシャと写真を撮られる人気者に忍び寄るのが甘い罠にヤバい罠、美人女性との別れ際ならハニートラップ=美人局だが悪人男性との出会い頭ならハロートラップ=悪人局、居合わせた場所で一緒に写ったが最後、週刊誌にリークされたら支払われるのはショバ代ならぬシャバ(写場)代ことみかじめ料ならぬみせしめ料、誌面に載れば黒くはなくてもグレーな交際、潔白の真っ白でもオフホワイトに染められる現代コンプラ社会。
噺は戻って嘘がバレた芸人側は謝罪会見を直訴、反社的に恫喝して圧力をかけたのが事務所、こじれた挙句にパワハーラを暴露されるクーデター会見で一杯クワサレター社長が臨んだ釈明会見、質問攻めにしどろもどろでお顔から火が出て真っ赤になればポモドーロ、お尻にも火がつき支離滅裂、苦し紛れのゴニョゴーニョではお茶を濁せず記者の怒りにも火をつける始末。
血のつながりはなくとも本当の家族のように身を寄せた『万引き家族』がちょうど地上波で初放送された折、浪花節で「家族」を連呼する一方で芸人に権力を見せつけて一線を引く「線引き家族」が不協和音を奏でたお家騒動となれば、これぞとんだファミリーならぬファミソー企業!