【まくら✖ざぶとん】⓼⓪『危機会』トコザワ第➌巻
えー、剣道や柔道では相手に技を仕掛けさせる〈後の先〉たる概念あり、此度は節目の八十席目、誰もが誰かと対峙する実生活に〈後の先〉を応用すべくおなじみ言業師・トコザワが自己啓発論に昇華させる一席を。
野球のような運動球技や将棋のような盤上遊戯で言われて久しい〈ピンチ(危機)〉の後に〈チャンス(機会)〉あり、最たるところは相手が打球につける角度〈危機〉の分だけ自分の打ち返す角度〈機会〉も鋭くなるピンポン(卓球)とテニス(庭球)、〈危機〉をしのげば〈機会〉到来、〈機会〉を逃せば〈危機〉襲来の応酬ラリー選手権は死線をまたぐデッドヒットのデッドヒート。
庭内や卓上に限らず人間関係も同様、男子同士はいじり合いでの無慈悲な無茶ぶりをうまく切り返して切り抜ければ気勢の良さが評価され、女子を相手にいがみ合いの仲たがいからはじまるお約束の法則を引き寄せるには威勢の良さが物を言う。インパクトのある失言を会話のアクセントに織り交ぜ、からかう役とあしらう役のロールプレイを確立してこそ距離は縮まるもの。
既存の言葉だけじゃなく新語を作って新しい概念を生み出さねば言業師の名が廃る、〈危機〉の後には〈機会〉が必ず待ち受ける奇々怪々な現象を人が呼ばぬなら吾輩がこう呼ぼう〈危機会均等の法則〉こと〈危機会均等法〉。それを〈後の先〉の如く逆手に取れば〈危機会〉、〈機会〉の訪れを待たずに〈危機〉的な状況を自ら招き積極的に〈機会〉を手にする方法論。
「〈機会〉がほしい」
⇒「〈危機〉をしのげば〈機会〉に」
⇒「〈機会〉にするべく〈危機〉を」
⇒「〈危機〉がほしい」
自ら窮すれば通ずる道もあるし鼠でも猫を噛もうもの、活を求めるなら死中、藁にすがるなら水中、馬鹿力を出したければ火中に飛び込んでこそ。事前に動いて未然に〈危機〉回避するリスクマネジメントは大人のやり方、いざってときほど〈危機会〉の兵法で活路を見出すのが勝負師の生き方。
最後はこれまた久しぶりに謎かけ。
乗り越えた絶対の〈危機〉とかけて、
呼び込んだ絶好の〈機会〉と解く。
その心は、
首尾(守備)は上々、一機呵成で嬉々快々!!