マネジャーの要件は知・情・意である
こんにちは。
“マネジメント人財の目利き&「大人の学び」の案内人”の福岡明善です。
ことのは 31
マネジャーの要件は知・情・意である。
プロ野球選手の要件は走・攻・守で表現できると思います。アスリート全般に求められる要件は心・技・体ですね。心・技・体は、実はプロフェッショナルについて適用できる考え方のようにも感じます。
マネジャーに求められる要件は、知・情・意であると私は考えています。
夏目漱石の『草枕』の冒頭の文章は有名ですよね。
“山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。“
ここに知・情・意が出てきます。
歴史をさかのぼると、アリストテレスが『弁論術』のなかで、logos(言論)、pathos(感情)、ethos(人柄)といった要件を提示したりしています。もっともマネジャーの要件として提示しているわけではありませんが・・・
私自身がこれまでの20年弱の間で出会ってきた約2万人のマネジャーのみなさんを思い出すとき、マネジャーにとって、知・情・意のなかで少なくとも自分の武器としている要素が一つあることが大切だと感じます。「私はこの強みで苦境を乗り切るのだ」というものが不可欠です。
より経営に近い上級マネジャーには二つ以上の要素が備わっていることが望まれます。逆境を乗り越えて周りを巻き込んで成果を収めるためには、一つの武器だけでは不十分です。
時々、現役のマネジャーのみなさんからご質問を受けることがあります。「知・情・意のどれが最も大切なのでしょうか」という質問です。もちろん正解があるわけではないのですが、個人的には「意」を最重要視しています。「意」は、言い換えれば、「志」「軸」「信念」であると考えていいと思います。マネジメントを担ううえでの根本がそこにあると私は考えています。
では、また。Bonne journée!
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