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「BtoBマーケティング大賞」に応募してみたら入選していた話

こんにちは!広告宣伝課の飯野です。

この度、私たち名優の中央材料室向け製品ブランド『SALWAY』の取り組みが「日経クロストレンド BtoBマーケティング大賞」で、コンテンツ部門「入選」をいただきました!

「日経クロストレンド BtoBマーケティング大賞2024」より抜粋

「BtoBマーケティング大賞」とは

「BtoBマーケティング大賞」は、日経新聞グループが運営するマーケティング系の情報サイト「日経クロストレンド」様が主催し、BtoBでの優れたマーケティングを表彰する賞です。
ポイントは「BtoB」、つまりお菓子や飲料といった一般消費者向けでなく、法人向けの商材であることです。ちなみに一般向け商材のマーケティング大賞は別にあり、もう15回ほど開催されているようです。
「BtoBマーケティング大賞」は今年初開催で、5つの部門で受賞企業を各1社選び、そこからさらに大賞を決定します。入選は、受賞には及ばなかったものの「比較的高く評価された」ということで、各部門で1~2社が選ばれています。
公式サイトはこちら


入選した『SALWAY』の取り組みとは?

『SALWAY』とは、病院の「中央材料室」という部署で使われる製品を集めたプロダクトブランドです。製品を販売するだけでなく、WEBサイトで仕事に役立つ知識や、中央材料室で実際に働いている方のインタビューなどのコンテンツを発信しています。

SALWAY ウエブサイト

なぜ応募したの?

病院の「中央材料室」という部署と、そこで行われる仕事「再生処理」の重要性を、一般の方に知ってもらいたかったからです。

みなさん、病院の「中央材料室」ってご存知ですか?

病院に行くと、まず受付に行きますね。
待合室で看護師さんに呼ばれて、診察室で先生に診てもらいます。違う部屋で検査したりするかもしれません。病院内には売店やレストランもあったりしますね。処方箋をもらって、お会計をして………。
あれ?もう外に出てきてしまいましたね。「中央材料室」はどこだったんでしょうか?

「中央材料室」とは

中央材料室は、処置や手術に使用する道具(医療器材)を洗浄・滅菌する部署です。患者さんが直接そこへ行ったり何かすることはまずありません。なので一般の方は知らない方が多いんです。
医療器材は、注射器など1度使ったら捨ててしまうものもありますが、洗って何度も使用するものがたくさんあります。そういった医療器材を、次の患者さんに安全に使用できるように洗浄・滅菌する部署が「中央材料室」で、ここで行われる仕事を「再生処理」と言います。

中央材料室で滅菌をする様子


もしも中央材料室が無かったら

一度使った医療器材には、血や体液など見える汚れのほか、細菌やウィルスといった見えない汚れが付いています。
もし細菌やウィルスが付いたままの器材を使用したら、患者さんはそれらが引き起こす感染症にかかってしまう恐れがあります。

この器材を清潔で安全な状態にしてくれるのが中央材料室です。清潔な器材が無ければ、医療行為はとても危険なものになってしまいます。安全な医療は、適切な再生処理に支えられているのです。

病院に行く人は知っておくべき「再生処理」の重要性

このように医療にとって不可欠な再生処理ですが、実は日本の再生処理は欧州より20年遅れていると言われているんです。
再生処理の質についての法規制は無いので、どんな状態でも病院を経営できてしまう実態があります。
もちろん、きちんと質の高い再生処理を行っている病院もありますが、心もとない施設があることも事実です。

また、再生処理は医療従事者にすら認知されていなかったりします。医師ですら中央材料室の存在を知らない方もいらっしゃいます。先生にとっては、『メス』と言って看護師さんから手渡されたそのメスが新品なのか、別の患者に使った後に再生処理をしたものなのかは関心が薄かったりします。ましてや再生処理の質まで考えている先生は少ないです。

そんな中央材料室は、日本では病院の中で立場が低い部署でもあります。専門性や重要性を認識されておらず、必要な機械や試験にかかる費用を出してもらえない…なんてことがよくあります。病院は診療報酬で成り立っていますが、現状のシステムでは再生処理業務に報酬はつかないので、病院の経営者からすれば「コスト」扱いになってしまうんですね。コストは削りたいものですよね。お客さん(患者)にも知られてないし、気づかれないコストなら尚更です。

…でもさっき、「再生処理がなければ、医療行為で病気になってしまうかも」って言ってましたよね?
医療の安全を支えているのに、そんな扱いでいいんでしょうか?
自分や家族が行ってる病院はどうなのか、気になってきませんか?

みんなが関心を持つことが業界を変える

現状、日本の再生処理の質は、その病院の担当者や経営者の意識レベルと善意に依存しています。でも皆が病院を選ぶ基準に再生処理が加われば、病院は再生処理の質を無視できなくなります。再生処理をきちんと行っている施設が選ばれるようになるし、私たちのお客様も評価されて報われます。だから私たちは、一般の方にも再生処理や中央材料室のことを知ってほしいんです。

…と、とても長くなりましたが、これが「BtoBマーケティング大賞」に応募した動機です。「日経クロストレンド」をご覧の読者様、きっと各所でご活躍中のビジネスパーソンですよね。若い頃は病院に縁が無かった方も多いかもしれませんが、お子さんが産まれたり、親御さんもお年を召してきたり、ご自身も不調が出たりで病院のお世話になる機会が多くなってくるご年齢だと思います。そういう方に『SALWAY』の事例、そしてその背景の中央材料室を取り巻く病院の事情は、興味を持って読んでいただけるのではと思ったのです。

というわけで、ここまでせっかく読んでくださった方はぜひ、SALWAYの中央材料室へのインタビュー企画『再生処理の現場』をご覧になってみてください。
『再生処理の現場』では、使命感を持って日々再生処理業務に奮闘されている素敵な方々へインタビューしていて、もうすぐ10回になるんです。あなたのお住まいに近い病院はあるでしょうか?

中央材料室へのインタビュー


ところで『入選』の理由は?

実は、入選の理由は不明です。というのも特に事務局からのご連絡はなく、普通に発表サイトを見て知ったので、講評やコメントなどいただいていないんです。

なので応募側の推測でしかありませんが、おそらく評価されたポイントは、日本の再生処理の現状という社会的課題への取り組みだったのではと思います。私たちが行ったブランディングという手法自体は、特に目新しいものではありません。また、効果としても「前年比5000%」みたいなものすごい数字を叩き出しているとかでもありません。(もちろんおかげさまで数字は上がっていますが)

たしか募集時に審査員の方が動画で「こんな業界でもこんなマーケティングやってるよ、というのを見せてほしい」と仰っていたので、そこに引っかかったのでは、と思っています。

提出した審査資料の表紙


おわりに

というわけで、今後も引き続き一般の方に中央材料室を知ってもらうための活動を行っていきたいと思います。

ちなみに、個人的な次の目標は「中央材料室の医療ドラマ化」です。医療ドラマって手術を中心にいろんなテーマで作られていますよね。中央材料室を舞台にしたドラマがあったら面白いと思うのですが…いかがでしょうか?
もう第1話のあらすじは考えてありますので、今後も密かに構想を練っていきたいと思います。

それでは、最後までお読みくださりありがとうございました!

飯野

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