1ヶ月6万円…10年で720万円…

 私は40代の今から、老後のことを気にしている心配性。今週、小谷みどりさんの『ひとり終活 不安が消える万全の備え』という本を読んだ。2016年に出版された本なので、4年後の今では、制度やサービスは変化している部分もあるだろうけれど、不安を整理する指針として、とても勉強になった。

大切なのは、気がかりは何かを考え、それを解決する手段を知り、元気なうちに実行することです。本書は、ひとり暮らしの人が気にしている様々な問題を取り上げ、それに対処する手段を詳しく解説します。
・ひとり暮らしでも安心な「高齢者向け住宅」
・認知症になった自分を守ってもらう「任意後見制度」
・急に倒れた時に備える「見守りサービス」……
                  amazonの本の紹介ページから引用

 私が一番気になるのは、認知症になった場合のこと。任意後見制度は、認知症などで判断能力が不十分になる前に、お金の管理などを委託する第三者(=後見人)を自分で決めておける制度。家族や友人に頼んでもいいし、弁護士や司法書士などの専門家に委託することもできる。

 私のように子どもがいない人の場合、後見人になってくれるような親族や友人(自分よりも元気で長生きしてくれそうな人)が身近にいなければ、専門家に後見人を頼むのがよいのかもしれない。

たとえば、都内にある弁護士事務所では、弁護士に任意後見人を引き受けてもらう場合、委任契約成立時に20万円の契約金を支払います。そのうえで、後見が開始されれば、それ以降は毎月5万円の報酬を払い続けます。   『ひとり終活 不安が消える万全の備え』p143

 そして、任意後見制度を使うには、後見人への報酬だけではなく、家庭裁判所が選任する任意後見監督人にも月額1万~2万円程度の報酬を払うことになるらしい。つまり毎月6~7万円以上の費用がかかる。

 おひとりさまで老後を過ごす備えとしては、老人ホームに入る費用や医療費のことを算段に入れるだけでなく、後見人制度を利用する費用6万円~も考えておいた方がよいのだろうか。心配性過ぎるのかな…??  

 月額6万円×12ヶ月=年間72万円…10年で720万円。専門家に委託する費用としては、妥当な金額なのかもしれない。でも、今の私の生活費から考えると、すごく高額に感じてしまう。

 先日、伯父が老人ホームに入所する際、従妹はいろんな施設の月額費用を比較していた。伯父が長生きする途中で、貯金が尽きてしまったら困るから、長期的に支払い続けられる金額でなくてはならない。

 後見人の制度は、おひとりさまが認知症になっても安心して生きられるために必要な制度だと思う。でも、利用するための費用が高額だったら、一部の裕福な人にしか役に立たない制度になってしまう。

 私は以前にも、後見人の制度について調べたことがあるけれど、その頃から、後見人制度の利用が大きく進んだとは聞いていないし、そのような報道を見た記憶もない。

 お金をたくさん貯めなければ、長生きするのが不安になる社会は切ない。今後もいろんな制度が変化していくだろうけれど、多くの人が使いやすい方向に変わっていくといい。

今回読んだ本はこちら ↓


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