美しい言葉と医療の物語:新章 神様のカルテ
松本市に住む医者栗原一止を中心にした医療の物語。すでに3巻出ていて、何れも美しい日本語と流れるような文書で、患者・医療者の心情を描き、問題の難しさをわかりやすく伝え、松本の山々の描写をして読み手の心をいやすとても好きなシリーズ。
今回の新作(といっても、文庫本になってから買ったから、時間は立っているけど、、、)は、栗原一止が大学病院に移った後の物語。市中の病院とは違う、大学病院ならでの使命と医療者としての使命の葛藤がとある中で、医者として、ただ患者を救いたい主人公とそのチームメンバーが色々なことにぶつかりながら、思いもよらないユニークな方法で乗り越えていく様子が描かれている。また、患者とその家族の心情がとても伝わってきて、涙なしには読めなかった。
読んだ後は、なんともいないすっきり感があり、人を治療することの偉大さとその難しさを感じずにはいられない。今のコロナ禍では、医療者はコロナ前よりもさらに様々な困難に直面しているに違いなく、ただ応援するしかなく、自分がお世話にならないように感染対策はしっかりしようと気持ちを新たにした。
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