映画『ナイトメア・アリー』(2021)の感想
映画『ナイトメア・アリー』を映画館で観てきた。
原題は『Nightmare Alley』で、直訳すれば『悪夢の小路』となる。
監督・脚本はギレルモ・デル・トロ、主演ブラッドリー・クーパー、ケイト・ブランシェット、ウィレム・デフォー、ルーニー・マーラらが出演している。上映時間150分、2021年製作のアメリカ映画だ。
ギレルモ・デル・トロ監督は、子どもの好奇心をキープしたまま、大人になれた稀有な人だと思っているのだが、今回の作品は、人の心の闇や行き場のない怒りの寓話化を試みているように見えた。
幼少期の心の傷を乗り越えたふりをして、生きている人は案外多い。その自分と真正面から向き合わないと、どこかで致命的な問題が起き、収拾がつかなくなってしまう。ブラッドリー・クーパーが演じる主人公のスタントンはそんな人物だ。自分の心の傷を見て見ぬふりをしているうちに、自分にとって何が重要であるのかも見失う。そして、本人も予期していた結末へと雪崩れ込んでいく。
ケイト・ブランシェットの冷酷で恫喝も厭わないカウンセラーは鮮烈ではあったが、監督が言うほどの化け物という印象は受けなかった。
人は、仕事やお金に夢中になると、すぐに自分にとって何が大事であったかさえも忘れてしまう。主人公のスタントンは何を手にすれば幸せになれたのだろう。
忘れないうちに、原作を読みたい。
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