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#映画感想文『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(2021)

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』を映画館で観てきた。

監督・脚本はウェス・アンダーソン、108分のアメリカ映画。

雑誌の廃刊特別号の記事が映画化された、という設定だ。

映像はきれいだし、一話一話のとぼけた感じも、味わいがあってよかった。

ただ、わたしは失敗した。ここ最近、一番前の席に座るのが習慣になっていた。座席数の少ない、狭いシアターだと一番前でちょうどよかったりする。そんなに傾斜もきつくないし、足が伸ばせるし、人もいないからいい! と思っての選択だった。

しかし、この映画は、人の表情や台詞でひっぱる映画ではなく、画面全体を楽しむ映画なので、一番前の席だと画面の全体を見られなかった。最前列で見上げて細部を観察するのは、非常にきつい。そして、最後の10分は寝てしまった。それは、朝一番の上映会を選んだせいなのだが、ちょっともったいなかった。

なので、これから観に行く方は、ぜひ後ろのほうの席を選び、ゆったり見てほしい

そして、映画『パピチャ』主演のリナ・クードリが出ていたことに驚いた。そういえば、去年、彼女がシャラメの相手役にキャスティングされている、という記事を読んだことを思い出した。相手役って、この役なのかと笑ってしまったが、とても可愛かった。あと、シャラメとフランシス・マクドーマンドの並びがとぼけていてよかった。

ベニチオ・デル・トロとレア・セドゥーのめちゃくちゃな感じもよかった。不条理な世界観の中にいると、誰がまともでそうでないのかも、判別ができなくなっていく。

レア・セドゥーを初めて観たのは『アデル、ブルーは熱い色』なのだが、作品ごとに全然違うキャラクターを演じているので驚く。ダニエル・クレイグ最後の007の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』に出ているときは、そつがないだけの印象なのだが、ほかの映画では毎回チャレンジングな役だ。そして、Wikipediaを読んだら、石油会社の社長令嬢らしい。もう、世界はあなたのものよ、という感じだ。

そういえば、雑誌の編集長役はビル・マーレイだし、オールスターキャストだ。これを機にウェス・アンダーソン監督のほかの作品も、見ねばと思っている。

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佐藤芽衣
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