#映画感想文『エディット・ピアフ 愛の讃歌』(2007)
映画『エディット・ピアフ 愛の讃歌』を観た。
2007年に公開されたフランス語の映画。原題は『La Mome』で、ピアフの最初の芸名で、意味はスズメである。
監督はオリビエ・ダアン、主演はマリオン・コティヤールで今も大活躍のフランスの女優さんだ。
映画の構成は断片的なエピソードで進んでいく。幼少時代、少女時代、歌手として成功した時期、老年期が描かれる。もちろん、エディット・ピアフが成功している事実はわかりきっているからこそ、そのような工夫が必要だったのだろう。今も『愛の讃歌』はさまざまな人によってカバーされている。
映画のピアフは、怒ったり、泣きわめいたり、機嫌が良かったり、悪かったりとさまざまな表情を見せる。裸一貫、才能だけでのし上がった人間の強さと弱さにリアリティがあった。彼女はわがままだが、嫌な人ではないのだ。
『愛の讃歌』を彼女に書かせたボクサーのマルセルとの恋も描かれる。
そして、この映画を観て、はじめてシャンソンがどういうものかがわかった。シャンソンの歌詞には、情念もあるが、描写もある。ポップスとも演歌ともオペラとも違う。
ただ、歌がうまいことはわかるが、うまさの変化がわからないので、ピアフが少女時代からプロになる過程で、フィルムの中で、どれほど上達したのかが、わからなかった。音楽がわかる人たちは、その差がわかって、さらに楽しめるのかもしれない。
主演のマリオン・コティヤールは『インセプション』や『たかが世界の終わり』にも出演していた。どおりで見覚えがあったわけだ。雰囲気だけではなく、力強く、とにかく存在感のある女優さんだと思った。
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