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#映画感想文339『ポライト・ソサエティ』(2023)

映画『ポライト・ソサエティ(Polite Society)』(2023)を映画館で観てきた。

監督・脚本はニダ・マンズール、出演はプリヤ・カンサラ、リトゥ・アリヤ。

2023年製作、104分、イギリス映画。

主人公のリアはイギリスに暮らすパキスタン系のムスリムの高校生。将来の夢はスタントウーマンになること。自分のアクションを撮影して、YouTubeにアップして、銀幕デビューに備えている。リアの姉であるリーナは美大生であるが創作に行き詰まり、鬱状態で休学している。

そんな姉妹の前に、サリムというイケメン医師のエリートが現れる。リアとリーナはパーティーに誘われ、あれよあれよという間に、姉のリーナはサリムにプロポーズされる。リーナは舞い上がっており、すぐにでも結婚しそうな勢いだ。

姉は挫折に苦しみメンタルダウンしており大学も中退しそうな状態で、全然魅力的ではないのにプロポーズされるなんておかしい、とリアは考え、サリムの周辺のことを調べ始める。この妹のリアの直観は正しく、サリムとその母親の企みが明らかになっていく。

サリムはパーティーで、女性たちの唾液からDNAを採取し、子宮の強い、受胎能力の高い、健康的な子どもを産める女性を探しており、最も子どもを産む能力が高いのがリーナだったのである。プロポーズされた理由は、恋でも愛でもなかった。

妹のリアは自己実現のために生きることは当然だと思っており、自分自身でいられることが最も重要だと考えている。リアのまっすぐな考え方は清々しいが、それを貫くのは容易なことではない。サリムがリーナと結婚したがっていた理由も、それほど珍しいことではない。

カンフーアクションコメディフェミニズムムービーという、まったく新しいジャンルの楽しい映画だった。リアのように元気いっぱいに生きられたらいいのだけれど、現実の社会はそれに追いついてはいない。数年後、数十年後にこの映画を再び観て、リアという女の子にリアリティを感じられたらいいなと思った。

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佐藤芽衣
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