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#映画感想文290『ゴジラ−1.0』(2023)

映画『ゴジラ−1.0』を映画館で観てきた。

監督・脚本は山崎貴、出演は神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、 佐々木蔵之介。

2023年製作、125分、日本映画。

公開初日の初回の回で観たのだが、客席は8割方埋まっていて、その人気の高さに驚いた。最後は、一部で拍手も起きていた。(わたしは帰る準備をしており、拍手はしなかった。そこまでではなかった笑)

敷島浩一(神木隆之介)は、特攻隊だったのだが、逃げてしまった人である。戦闘機には何の問題もないのに、島に下りて整備を依頼する。その島で一夜を明かすことになるのだが、そこに何とゴジラが現れる。敷島は戦闘機で反撃しようとするも、恐怖と震えで打つことができない。それが原因というわけでもないのだが、島の整備兵たちが、ほぼほぼ死んでしまう。敷島は戦争で逃げ、ゴジラ相手にも逃げてしまった。特攻で死ねず、ゴジラと闘えなかった自分を悔いて、敷島は戦後日本を生きる。

要するに、逃げてしまった男が、逃げずにゴジラと闘おうとする物語だ。

とはいえ、神風特攻隊から逃げることは「悪」ではないし、ゴジラから逃げるなんて当たり前だと思う。誰だって逃げる。自己犠牲が美化される風潮のある日本で、敷島は開き直れるほどの野蛮さも持たないので苦悩しているに過ぎない。

その一人の男が自分の人生を打開するために闘う相手がゴジラなのだ。

ストーリーとしては、ものすごくわかりやすく、さっぱりした構成。悪くないと思う。しかし、青年一人が闘うにしては大きすぎやしないか、ゴジラは。

とはいえ、ゴジラが銀座を破壊し、伊福部昭のSF交響ファンタジー第1番が大音量で流れるところには、普通に興奮した。

今回のゴジラで一番すごいと思ったのは、銀座でゴジラに驚いて立ち尽くすためだけの橋爪功である。後半の重要人物かなと思っていたら、全然出てこなかった。

(他人様のレビューを見ると、説明台詞や無駄な繰り返し台詞が多すぎる、とかいった指摘が散見されたのだが、わたしはそのことに全然気づかなかった。その晩、38.5℃の熱に苦しむことになるのだが、今思えば朝から体調が悪かったのかもしれない。体調を万全にしてもう一度見ようかしら。)


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佐藤芽衣
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