#映画感想文318『リンダはチキンがたべたい!』(2023)
映画『リンダはチキンがたべたい!(原題:Linda veut du poulet!)』(2023)を映画館で観てきた。
監督・脚本は、キアラ・マルタ、セバスチャン・ローデンバック。
2023年製作、76分、フランスのアニメーション映画。
主人公のリンダは8歳で母のポレットと団地で暮らしている。父親は心不全ですでに亡くなっている。その父が得意としていた「パプリカ・チキン」の料理を食べたいとリンダは母にねだる。しかし、フランス全土の労働者がストライキをしており、鶏肉を手に入れることができない。鶏肉が手に入らないことにしびれを切らした母親は生きたニワトリを盗んでしまい、そこから大騒動になっていく、というストーリーである。
作品の主題は家族の死を乗り越える、といったことだろう。
リンダは記憶にはない父親のことを想い続けている。父親へとつながる唯一の記憶が「パプリカ・チキン」なのだ。母親のポレットも夫の死を引きずり、新しい人間関係を作ることができずにいた。独身の姉に頼っており、母親であるものの、どこか頼りなさがある。(ポレットのお姉さんがヨガの先生で、自立した強くて面白い女性として配置されている)
ただ、本作はストーリーではなくアニメーション的な表現や色彩を味わうために作られているのだと思う。フランスのアニメには、やはりアーティスティックな表現があり、豊かな世界を感じられる。
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