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「とらえかた」を変える練習

鍼灸の専門学校を卒業してから、早いものでもう半年が経とうとしています。

「自分の治療院をつくる」ことが目的で鍼灸の専門学校に通い始めたので、学生の頃から少しずつ準備を進めていたのですが、「もっと色々やってけばよかった…!」なんて思う毎日を過ごしてます。

とはいえ、学生時代はなんといっても国家試験に受かることが最優先だったんですもの。あの頃の、プレッシャーはすさまじかった…!(笑)

まずはわたし自身が、あの頃のわたしを褒めて、認めてあげなくてはですね。

焦らず、比べず、一歩ずつ。

さて。最近ヨーガの勉強会に出ていたので「ヨーガボルテージ」がすこぶる上がっています。(笑)

そんな熱量を持ったままで。今日は「とらえかた」についての記事をひとつ書いてみます◎

1.「とらえかた」を考える

わたしが「とらえかた」について話す時、良く使うことわざがあります。

【 握れば拳 開けば掌 】

これは、「例え同じモノでも、気持ちや状況次第で捉えかたは変化するよ」という教えです。

人の手は、握りしめれば人を傷つける拳になるし、開けば人を撫でる大きな手のひらになる。

どちらも同じ「手」なのですが、どちらをイメージするかで印象は大きく変わってきます。

また面白いのが、このイメージが体に及ぼす影響です。

例えば拳をギューっとにぎりしめる時、体には力が入り緊張してますが、手のひらで優しくなでられた時、体はリラックスして緩んだりするんですよね。

こうして「とらえかた」を変えると、心や体の状態が変わってくるのです。

そして、それを日常生活の中でコントロールできるように訓練していくのが、「ヨーガ」なんですね。

2.色々な「とらえかた」を探してみる

最近、わたしが見つけた「とらえかた」についてのエピソードを書き出してみます。

手始めに、「日差し」について。

みなさんは日差しというとどんなイメージを持ちますか?

日焼けをする、シミの原因になる、目にダメージを与える、皮膚がんのリスクになる、などなど。

体内リズムに作用する、気持ちを明るくしてくれる、丈夫な歯や骨を作るために必要なビタミンDを補える、セロトニンの分泌により心が安定する、洗濯物が良く乾く、などなど。

次に、「カップラーメン」について。

同じく、カップラーメンにはどのようなイメージを持つでしょうか。

添加物が多い、カロリーが高い、栄養が少ない、塩分量が多い、体に良くなさそう、などなど。

お湯だけで調理ができる、短い時間で調理ができる、誰でも作れる、非常食になる、片付けの手間がかからない、無性に食べたくなる時がある、などなど。

上記には「日差し」「カップラーメン」について、それぞれに「デメリット」と「メリット」を挙げてみました。

そうです、つまり1つの物事は、見る角度や視点を変えることでそのイメージを変える事ができるという事なんですね。

例えば、わたしは以前まで「日差し」について…

「日焼けしたくないな〜。年を重ねてくるとシミになるっていうし。日焼け止めをこまめに塗って、帽子やアームカバーも買わなくちゃ。美容液もビタミンC入りの高いやつを買ってみようかな。最近は飲む日焼け止めもあるって聞くし、調べてみようかな。やだな、日に当たりたくないな……。」

と思いながら毎日自転車で通学していました。

「カップラーメン」については…

「カップラーメンはよくわからないけど体に悪いらしいから、食べちゃいけない。わたしは鍼灸師になるんだし、ヨガの先生だから周りの目も気になる。添加物がいっぱいで栄養もないって聞くし、カロリーも高いからなんだか太りそう。けど、夜中とかに食べたくなる時があるんだよね…。片付けしたくない時とか、時間がない時にも便利だし。体に負担だけど、まあ、仕方なく食べるか…。」

と思いながら時々こっそり食べていました。

3.いつも「とらえかた」を考える練習を

今のわたしは、これらに対して「とらえかた」を変えています。

日差しを浴びる時はいつも「気持ち良い日差し〜!なんか元気になる!ビタミンD増えると骨も丈夫になるって聞くし、大人の女性には必要だよね。体内リズム整うし、今日もいい日になるぞ〜!」と思って浴びていますし、カップラーメンを食べるときは「お腹すいた〜!今日はやることがたくさんあるし、ご飯は少しだけ手抜きしちゃおう。そのぶんゆっくりお風呂に入って、夜は早く寝る!最近カップラーメン食べてなかったし、たまにはいいよね〜!たまに食べるのがまた美味しいんだよね〜!その分明日はゆっくり過ごして栄養のあるご飯作って食べよ〜!」なんて思って食べています。(笑)

このようにとらえることで、後ろ向きだった気持ちが前向きに。ネガティブな感情がポジティブに。下を向いて硬くなっていた体が、ふんわり緩んで自由に動けるようにと切り替わっていくんですよね。

東洋医学で言うところの「気の持ちよう」とはまさしくこのことだろうとわたしは思っています。

4.認知の変容が人生を変える

難しいことをひとつだけ。

経典「ヨーガ・スートラ」の冒頭には、ヨーガの目的は「心の働きを滅すること」にあると書かれています。

つまりそれは、過去の記憶や未来の不安が作り出す「感情」に引っ張られず、常に今ここに集中し、穏やかな波のような心で過ごせる自分を客観的に見てコントロールしていくと言う事です。

この「無意識の中にある過去の記憶へのとらえかたを変える事」こそが、ヨーガの修行の核心たる部分であるとわたしは思っています。

自分自身が経験したことでしか、自分は成り立っていないのですから。

例えばよくよく自分と向き合っていくと、「子供の頃、両親に厳しく育てられて嫌な思いをたくさんした」という過去の記憶が、今の自分を作っていたりすることに気づく時があります。

ヨーガでは、そんな「無意識の記憶」の蓋を開け、「とらえかた」を変えていきます。

「子どもの頃、厳しく育てられて嫌な思いをしたけれど、そのおかげで今、不自由なく生活できている。あの頃の両親の厳しさは、今思い返せば人前に出ても恥をかかないようにとの思いから生まれたひとつの愛情表現だったのかもしれない。あの頃はひたすらに辛かった思い出しかないけれど、両親がいなければ自分は存在すらしなかったのだし、そう思うと少しだけ感謝の気持ちも湧いてくるな。自分の子供には同じような思いをさせないように接していこう」

こんなふうに思えたのなら、先ほど例に挙げた「日差し」や「カップラーメン」の時ように、体や心の状態が良い方に変化していくだけでなく、もっと深く大きな部分で人生までもを変化させてくことができるのです。

自分の人生におけるさまざまな悩みや困りごとを解決する答えは、自分を成長させることでしか解決させることはできません。

心と体をひとつだと考えるヨーガや鍼灸などの東洋医学には、そのお手伝いができる力があるとわたしは信じています。

5.最後に

少し難しい話も挟みつつ、長くなってしまいましたが!

大切なのは、いつも人の心は過去の経験や自分の物差しで物事を見てしまうけれど、それが全てではないと言うことです。

わたし自身、鍼灸の専門学校に通わなければビタミンDやセロトニンの話は知る事がなかったかもしれません。

つまり、知見を広げるために新しいことを学んだり、新しいものを取り入れたり、新しい人と出逢ったりすることが視野を広げることに繋がるんだな〜と改めて実感しました。

これからも色々な「とらえかた」を学びながら!

自分の変化を楽しんでいきたいなと思います。

それではまた次回◎


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