ニューヨーク紀行⑮ ストレートな物乞い表明
昨日の記事に関連して、物乞いをしているスタイルが興味深かったので書いてみる。
大阪と同じ点
大阪も、東京も、ホームレスの方はいる。
初めて大阪に来た時はその臭いにまず驚いたものだ。
これまでの海外旅行でも必ず見かけた。
ニューヨークにも当然いる。
大阪ではなかなか物乞いをするという人は出会わないが、海外は比較的ハッキリと物を乞うタイプの人を見かけるような気がする。
きっとどんな人にも経緯があるだろうから、どうしてその状況にあるのかなどは深追いしない。
ただ、大阪と違って、ニューヨークのかたは、ミルク臭だったのは大きく異なる点だったように思う。臭いけど、なんか洋風でおしゃれ。
入れ物が小洒落ている件
そう、ミルク臭いのはわけがある。
誰かが飲み終えてゴミ置き場に放置したスタバのカップだからだ。
しかもこちらで紹介した「トレンタ」だ。
がっつりお金を集めようとしている。潔い。
超ストレート
ここがまた欧米だなと思ったのが、「お金くれ〜」というジェスチャーがストレートすぎた。
先述のカップに数セントを入れ、振りながら歩くのだ。
ジャラ、ジャラ、ジャラ・・・
と鳴らしながら、横断歩道を歩いている。
なんていうか、やっぱり潔い。
分かりやすいのは良いことだ。私は嫌いじゃないぞ。(お金は入れなかったけど)
周囲の人々が平等に扱う
滞在期間中、ジャラジャラとカップを振ってお金くれとメッセージを発信する物乞い爺さんによく会った。
もしかしたら彼のテリトリーだったかもしれない。
ホテルに一番近いスタバに朝イチで寄ったことがある。
ニューヨーカーたちのカウンターごしのやりとりに見入っていたせいか、受け取りを待っている時、気がつけば後ろには爺さん至近距離で立っていたのだった。
びっくりしたが、何にびっくりするって、お店に普通に入っていお店のごみ箱を覗き込んでいたことだった。
さらには、店員さんも特に構わない。それもびっくり。
おまけに狭い店内だ。
他の利用客はどうかといえば、やはり、嫌な顔をするでもなく、距離を保つでもなく、冷たい視線を送るでもなく、1ミリも違和感がなかった。
すれ違いも、極端に避けるなどしていない。
日本ならどうだろうと考えたが、やはり考えられないと思った。
店舗がまず厳しく取り締まって敷地内に入らせないだろう。
周りの利用者は恐らく極端に避ける行動を取り、差別的な視線すら浴びせるだろう。少なくとも私は避けてしまう。
この時見たのが日常茶飯事なのか、たまたまの風景だったのかは分からないが、多様性を受け入れるというのはこういうことなのか…?といろいろ考えさせてもらったように思う。
たかが近所のスタバ、されど近所のスタバである。
つづく
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