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ニューヨーク紀行⑦ かけられた疑惑

未だにニューヨークの飛行機に乗れていない。
何故ならば、日本でインパクトのある出来事に2度出くわしているからだ。

↓1つ目の出来事はこちら

ハプニングvol.2

搭乗ゲートを超えた先で待っていたのは、番号を読み上げるスタッフ。

「チケットに、次の番号が書かれている方はこちらに来てください。」

最後の砦として立つスタッフの目はなかなか鋭いものを感じる。

この手の場面で、私はほとんどひっかかることはない。
人生このかた、真面目に生きてきたのだ。
ひっかかってたまるものか。

案の定、何事もなく過ぎていく私の隣で、旦那くんは番号を読み上げられていた。

近親者にかけられた疑惑

「はい、あなたちょっとこちらに。」

クールに目を光らせてスタッフのかたは旦那くんをゲートの端っこに追いやった。

旦那くんもさすがにイレギュラーが2度も続いたせいか、平常心を装う顔にはオロオロ感が滲み出ていた。

隅からそっと見守っていながらも、私の好奇心は抑えられない。
人の並びを避けて、彼が見える場所をきっちり確保していた。

こんな場面など滅多に見れないと思ったら、気になって仕方がなかった。


何かを説明された後、旦那くんは何かを質問しているようだった。

すると上着を脱げと言われたのか、来ていたアウターを脱ぎ、検査官によるボディチェックを受け始めた。
何も持っていないだろうな?と言わんばかりの再検査に、さすがに見ているこちらもドキドキものだ。

そのあとさらに、靴を脱げとの指示が出た様子。

「はいはい、脱ぎますよ、私は悪いことしてないですからね。どうぞお好きなだけ。」

というセリフが旦那くんの表情からは完全にだだ漏れていた。
そりゃ誰だって気分が悪くなるだろう。同情する。

靴を脱ぐ旦那くんの横で、検査官はおもむろに"リトマス試験紙"のような、ちょっとした細長い紙を取り出した。
試験紙は頭の先から胴体、手のひら、身体の上から順に紙が巡る。

靴下まで辿り着くと、検査官は「足を上げて」と指示し、足の裏まで紙を添わせた。

いや、もう、完全に薬物検査やないか・・・!!

もしや先ほどの出国審査の段階から疑われていたのだろうか・・・

身内が疑いをかけられるというのはなんとも複雑だ。
が、頭のどこかではちょっとネタになるなぁ〜などと、よこしまな考えが横切っていた。

無事、こうしてnoteのネタとして活かすことが出来たのは嬉しい限りだ。うむ。

今度こそ…

本記事を書くにあたって、そういえばと気になって簡単にだが調べてみた。
どうやら、本気で怪しい人と、ランダムにピックアップされてしまう人がいて、今回のようなケースは起こっているのだと知った。

あの時が、疑惑ではなく、ランダムの方だと信じたいものだ。

無事に飛行機の座席に辿り着いた二人。
アメリカの航空会社の席は、エコノミーでもちょっと広めだから嬉しいね〜なんて話して出発を待っていたら、隣にバカでかい足長のアメリカ人が座った。

結局狭い12時間を過ごした。

こうしてついに我々はアメリカ・ニューヨークへむけて飛び立ったのであった。


つづく。


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