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ニューヨーク紀行⑱ チップの使い方について考える

海外旅行でまだまだ感覚が掴めずにいるのが「チップ」。今回はこれについて。

再び登場、現地係員Fさん

チップ…と考えると、渡すタイミングはいつだとか、いくらくらいが相場だとか、ついつい頭でっかちに考えがちだ。

以前登場した現地係員のFさんも、チップの渡し方はお見事であり、Fさんのおかげで「チップ」というものを少し理解できたように思う。

Fさんは長らくニューヨークに暮しているだけあって、チップを渡すことは、息をするように馴染んだ習慣なのだろう。

チップは"カジュアル賄賂"

ニューアークの空港から、ホテルまで送ってくれたFさん。

ホテル到着直後は「ちょっとまっててくださいねー」とおもむろにホテルの入り口前に車を停めたのだった。

ミッドタウンという超・中心地にあるホテルの入口前はロータリーのような場所がなく、車も一時停止が許されない場所だったが、Fさんはここでチップ技を使った。

いきなり我々を置き去りに車から出て行ったFさんは、何やらボーイに交渉し、不完全燃焼の顔で戻ってきた。

「いやぁ、ここ駐車したら駄目な所なんで、今ちょっとの間だけ許してもらえないか交渉してみたんですよー。すみません、駄目でしたね!チップ渡せばどうにかなると思ったんすけどね!」

とFさん。

そうなんだー、ちょっとした賄賂やねんなーとこの時とてもわかり易く教えてもらえたように思う。

とにかく何かをされたらチップ、何かを頼むときもチップ。
チップというのは、カジュアルな賄賂みたいなもんなのかな。


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(↑こんな感じの通りにホテルの正面入口があり、かなり都会のホテルだった)

日本もチップ制にしてみたらどうかな

日本ってお金払う=サービスを受ける、が当たり前だが、チップは「+気持ち」の部分を表現していることもある。

感情という、価値のつけられないものの時価と言っても良いのではないだろうか。

その点では、チップがなくても満足度を高めるべく丁寧にサービスを高めていく日本の接客・お商売は、それはそれで逆に凄いことだ。

だけれども、時として、サービスの対価が見えづらい。
正直、もっと価値を乗せてもいいのに、と思う場面もある。

チップ制を導入することで、多くの人は、対価に対するお金の考え方が大きく変わるのではないだろうか。

これによって、一人ひとりに商売感覚が身につく良い機会なのではないかとも感じる(飛躍してるけど)

それに最近、少々お客様が神様だと思いこんでいるような方も見受けられるので、もう日本もチップにしてやったらいいんじゃなかろうか。

何にせよ、たった1時間程度の送迎だけの付き合いであったFさんから学んだことは大きい。


・・・新品のスーツケースを派手に落としたことは忘れてやろう。


つづく


※Eye-catch photo by @NeONBRAND from Unsplash


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