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G7のはじまりに想う、被爆地「広島」

感情がひからびていく

資料館の展示で最も印象的だった被爆者の手記に記された言葉だ。

私が小学校低学年の頃、当時まだ「はだしのゲン」が図書室に配架されていた。

衝撃的な画が何度も何度も出てくる度にそっとページを閉じた。

漫画の絵ですら強烈で、脳裏に焼き付いて恐ろしかったのを鮮明に覚えている。

平和記念資料館で、この目に映る原爆の惨さの記録はその比にもならなかった。

教科書とも漫画とも違う。

ドキュメンタリー番組で放送される映像を観るのとも違う。

アメリカは主張する。

“たった一発の核爆弾”

「一発、その方が簡単だった

毎日毎日、爆弾で空襲するよりも」

投下候補地は、広島、小倉、長崎、新潟。

標的はヒト。

選んだ理由の中に
“甚大な被害を与えることができる地形”
という表記に衝撃を受ける。

人類に対して初めて使う兵器だから、てっきり被害を最小限に抑えかつ警告ができるみたいな理由を想像していた。

真逆の狙いだった。

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚

人間の五感すべてに刻まれる地獄の惨状。

一瞬で命尽きる悲劇。
後遺症により、その後の長く苦しい壮絶な人生を歩む悲劇。

性別も年齢も国籍も関係なく、あらゆる人生のストーリーが突然分断される悲しみの果てに戦争は終わった。

現在、核保有国が持つ全ての原爆をあわせると人類を数回滅亡させることが出来るらしい。

誰かの正義は誰かの悲劇。

本日、バイデン大統領が岩国基地から広島を訪れた。

まもなくこの地でG7が始まる。

核のボタンを携えてこの地に足を踏み入れるという、この相反する平和への思想の違いに考えさせられる事ばかりだ。

現在も世代を繋ぎながら様々な取り組みが続いている。

最後の写真は戦後の広島復興事業として制作された当時の歴清社の『箔』と彫師が彫った『額』を用い、命の儚さと強さ、変わることのない自然への敬意を伝える濱崎壽賀子さんの作品。

旅での出会いに感謝である。

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