【3分でわかる】『花束みたいな恋をした』レビュー
今回は2021年に公開された『花束みたいな恋をした』の感想を書いていこうと思います。
菅田将暉さん演じる山音 麦(やまね むぎ)と有村架純さん演じる八谷 絹(はちや きぬ)の恋愛を描いた作品で、公開当時「描写がリアルすぎる」と話題になった映画です。
とても感動したし、考えさせられる内容だったので、このブログをみて気になった方はぜひ映画もご覧ください。
【あらすじ】
大学生の麦と絹は、好きなことが普通の学生と違っていて、どこか周りに馴染めずにいました。
心のどこかにぽっかりと穴が空いたような、そんな学生生活を過ごしていたある日、終電を逃したことをきっかけに二人は出会い、好きな作家や映画が同じことから急激に仲を深めていき、そして付き合い始めます。
絵を描くのが好きでそれを仕事にしたいと思っていた麦は就活せず、絹は圧迫面接を受け続けたことで就職を諦め、二人は同棲を始めました。
京王線調布駅から徒歩30分の多摩川が見える部屋。
お金がないながらも、二人で笑い合える毎日がかけがえのない宝物でした。
しかし、次第に金銭面で限界を感じるようになった麦は、絹とずっと一緒に居続けるために絵の道を諦めて就職することを決めます。
フリーターだった絹も資格をとり就職を決め、新しい生活をスタートした二人ですが、徐々に学生の頃と違う生活に違和感を感じるようになりました。
麦のちょっとした言葉の言い回しや態度が目について、心の距離を感じ始める絹。
学生の頃と変わらない絹に、少しだけ苛立ちを感じ始める麦。
二人の心の距離は少しずつ、でも確実に離れていきました。
学生の頃抱いていたワクワクして一緒にいるだけで楽しかった、あの感覚はもうない。
それでも一緒にいることを選ぶのか、それとも別れるべきなのか。
だんだんとそんなことを考える時間が増えていきます。
2人はいったいどちらを選ぶのでしょうか。
続きは本作でお楽しみください。
【みどころ】
1)リアルすぎるカップル像
この作品を観てまず思ったのは、「リアルすぎる」ということです。
二人が恋に落ちて付き合って、同棲して、就職して、次第にすれ違っていきそしてだんだんと心の距離が離れていく。
映画に出てくる全ての描写が、まるで自分が本当に体験しているのかと思うくらいリアルで、後半になるにつれて胸が締め付けられました。
嫌いになったわけじゃない。
でも本当に好きなのか、分からなくなってしまった。
そんな麦と絹のどうしようもない感情が伝わってきて、どうか二人に幸せになってほしいと願わずにはいられませんでした。
恋人がいる方は、映画を観たら今の彼や彼女のことが頭に浮かぶと思います。
ぜひ、大切な方とご覧ください。
2)すれ違う想い
この映画を観て、ある曲のワンフレーズが私の頭に浮かびました。
就職して責任や効率を重視するようになった麦と、就職しても趣味を大切にし続けた絹。
絹と結婚するために必死で仕事して生活を守ろうとした麦と、学生の頃と変わらず趣味を共有して笑い合えればそれでよかった絹。
未来を見続けた麦と、今を見続けた絹。
どんなに愛していても、心の距離が遠くなればなるほどそれを埋めるのは難しくなるんだなと改めて感じました。
もしあの時ちゃんと言葉にしていれば変わったかもしれない。
そう思っても進んでしまった時を戻すことはできません。
当たり前だけど忘れてしまいがちなことを、再確認するきっかけになりました。
今、自分はなにを大切にしたいのかを相手に伝えるって、難しいけどとても大切なことですね。