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廣川めぐみ
2020年8月27日 13:58
第2回では、ようやく「悪役」とも「敵」とも言える灰色の男たちが登場する。河合先生は、「『モモ』における文明批評の核心部分」と呼んでいる。というのも、灰色の男たちは「われわれの心の虚無が生み出した存在」だという。虚無とは?虚しさってどこから生まれるんだろうか。例えば、みんなが大好きなある「夢の国」から家に帰宅するとき。そこに行くまでは、ワクワクし、盛り上がり、到着してから帰宅するまで
2020年8月17日 16:11
私の本は、分析されたり解釈されたりすることを望まない。それは体験されることを願っている。(子安美知子『エンデと語る』朝日選書)数字では測れない時間の豊かさを題材にした『モモ』を、忙しい現代人のために100分で解説することは、矛盾しているかもしれない。そして、作者が解釈されることを望まない本を、あえて解説することにも抵抗があるだろう。それでも、これをきっかけに『モモ』を手に取る人が増えた