発達障害の不登校を希望に変えるために私はこう考えてきた!
こんにちは、めげないやつ子です。
2024年の年末に悲しい事件がありました。
発達障害で不登校の子どもがいるご家庭では、きっと他人事とは思えず複雑な気持ちになった方が多かったと思います。
私はわが家の当時の事を思い返していました。
同じように不登校で発達障害グレーで癇癪もあった息子と、その息子と毎日対峙していた自分の事です。
今日は[発達障害の不登校]と[不登校に寛容なことの是非]という2大テーマで書いていきます。
1. グラデーションの障害
つまり誰もが障害を持っているという事でもあるわけです。そのような認識でいると優しい世の中になるのにと、私はいつも考えています。
発達障害にも色々あり特性も一人一人違いがあります。特性はグラデーションなので、重度や軽度、その中でも様々なタイプの子がいます。
診断ありだけど理解ある環境が整っていて困り感が少ない子もいるだろうし、診断はしてないけど本人の性格や友人関係に恵まれず、様々な要因が関係して特性が強めに出ている子もいます。
先日インスタのストーリーで不登校のお母さん達にアンケートをとりました。その結果は次の通りでした。
◎発達の情報や知識について
①ネットや本で独学49%
②主治医やカウンセラーに聞いている18%
③講座やセミナーで学んだ8%
④実はよくわかっていない25%
◎家族の協力について
①家族で理解し協力している30%
②1人だけで対応している48%
③兄弟姉妹の関わりが難しい18%
④施設・第三者にお願いしている4%
◎特性の困り感
①診断有りで上手く対応している5%
②診断無しだけど特性は強めに出ている31%
③グレーで微妙に困り感有り47%
④診断有りでもめっちゃ困ってる17%
各アンケートに80名前後の方がご協力下さいました。ありがとうございましたm(_ _)m
2. 孤独を感じやすい
この結果から見ても、軽度だからと言って困る事が少ないわけでもないんですよね。
それぞれ差はあるにしても、困り感や生きづらさを感じる場面は定型発達の人よりも多いと思います。
それは本人もですが周りにいる人も同じです。
以前に比べたら発達障害について知られるようになりました。支援も広がりを見せているように思います。
それでも、必ずしも環境が整っていたり周りからの協力があるというわけではありません。
一人で奮闘し孤独を感じているお母さん※ も多いと思います。
※お母さんに断定したのは、大抵がそうだからです。(この記事では “お母さん” で進めます)
もちろん中には、お父さんが一人で奮闘し孤独を感じているケースもあると思います。
仮に家族みんなが協力して対応していたとしても、“じゃあそれで良かったね” という事でもないですからね。
周りにいる人も一人一人違うとお伝えしましたが、一緒に暮らす側にも色々なケースはあります。
この記事の始めから、あまりにも当たり前なことを言っている気がしますが、、、
自分の周り半径2メートルぐらいの常識が全ての人にも共通していると勘違いしてしまうのが人間なので、取り立ててお伝えしました。
3. カサンドラ症候群
カサンドラ症候群とは、パートナーや家族との間に共感や感情的な交流が得られず、孤独やストレスを感じる状態を指します。
発達障害の特性を持つパートナーや職場関係、親子であっても起こることがあります。
例えば、夫から感情的な反応をほとんど得られず妻が孤独感を感じるケースや、母親が自閉傾向にある子どもと接する中で育児に疲弊してしまうケースがあります。
これが続く事により、心身の不調が生じることもあります。
発達障害の人と関わる事で、“普通” が通じないことや意思の疎通がしにくいことによって、だんだん自分が変なのかと感じたり心に負担がかかりすぎてうつ状態になったりする事もあると思います。
私自身も発達特性は持っていますが、それでもカサンドラ症候群になった時期がありました。(私の場合は息子というより母との関わりで疲弊していました)
本当に辛いんですよね。
その辛さを言葉にしても本当の困り感は伝わらない事が多く、友人に話しても『そんなのうちも同じだよ』とか『話せばわかるよ』ぐらいなリアクションしか返ってこなかったりします。
理解してもらえない事で余計に孤独を感じてしまう…
これは経験者じゃなければわからない感覚かなと思います。
微妙に話が通じない…あの不安と孤独と悲しさ、その後やってくる虚しさ、何とも言えない感情がやってきますよね。
4.『発達障害で不登校』というケースの困り感
さらに不登校となると、これまた一人一人違うので対応の正解がなく、周りからの理解やサポートがない場合は母が一人で、もしくは家族だけで対応する事になります。
発達障害でも孤独を感じ、不登校でも孤立してしまう。
不登校は子どもが家にいる事が多く、ずっと一緒にいる事になるので、気持ちの逃げ場がないのも苦しいところですよね。
発達障害はコミュニケーションが苦手だったり学習面でも困難さを抱えていたり、学校という場に馴染みづらい傾向にあるのではないかなと思います。
もちろん全員がそうって事ではありません。
でも少なくもないかなと電話相談に申し込まれた方と話をしていて、そんな風に感じています。
コミュニケーションが苦手という事と連動しているのが癇癪だと思います。
暴れられたらこちらは本当に大変、どころじゃないんですけど、それを相談するのも怖かったりするんです。
だから例えば先生とかカウンセラーさんとかには、少し緩めに説明したりする事も皆さんされてるのではないかなと思います。
大前提として発達障害に関して対処法などについては、専門家の発信を見られる事をオススメします。
やはり知識は大事です。
知らずに対応するより、知っているけどなかなか難しくて出来ないという方が何倍も良い事です。
なぜなら道が先に続いているから。
ですので専門家の発信や本などから、『発達障害とはどういうものなのか・効果的な対応はどうすればいいのか』等、正しい知識を学びましょう。
高い講座にお金を払わなくてもいいと思います。無料でも基本的な情報はたくさん出ています。
\その上で/
私も発達については学んできましたので、私が実際に試してみて良かった事を3つお伝えしようと思います。
5. 私が子どもに試してきて良かった対応3選
1つめは、言語化です。
思いを言葉にする事が苦手な子が、発達には多いように思います。
うちの息子もそうでしたし、頭の回転が速いために脳の中で言葉をキャッチする前に次々と思いが通りすぎてしまうのかなと私は考えます。
なので、こちらが言語化の手伝いをする感じで、“言葉にならない思い”を息子の頭の中からピックアップするように伝えていました。
そして言語化するのは\こちらの思いも/です。
私たちも無意識に、これぐらい言わなくてもわかるだろうという感覚でやり取りしている事がありませんか?
それだと ほぼ伝わっていないと思った方が良い
言いきりましたが、それぐらいの認識でいた方が良いと私は自分の経験から感じます。
こちらの思いや考えている事や見通しなど話しておくのも大事です。
発達の子(大人も)は、恐怖や不安の感覚が強い事が多いので、怖さや不安を振り払ってあげるという意味でも、言葉で伝えるというのは効果的だと思います。
2つめは、皮膚の感覚です。
発達障害は正式には神経発達症と言います。
脳機能の発達に凸凹があります。
ここでは詳しい事は省きますが、皮膚は実は脳と関係が深いので、皮膚感覚を鍛えると発達の子にはとても効果が高いんです。
私は息子の背中をさすったり頭をサワサワしたりして、皮膚の感覚を鍛えるようにしていました。
我が家では『セロトニンマッサージ』と呼んでました。
皮膚をさすったりマッサージをするとセロトニンやオキシトシンという幸福感と関係するホルモンが出るので、安心感にも繋がります。
安心感は不登校にも良い効果があるので、一石二鳥ですね。
思春期で嫌がるかもしれませんが、一度セロトニンが出る感覚がわかれば、次からはそこまで嫌がらないのではないかなと思います。
例えば、眠れない子には『よく眠れるらしい』とか、ゲームが好きな子には『ゲームの集中力が上がるらしい』とかそれなりの理由を作って、背中をさするのもいいのではないかと思います。(目安は1回20分程度ですがきっちりしなくてもOK)
もちろんきちんと理由を説明した方が効果は出やすいかもしれませんが、不登校の段階や年齢や関係性にもよるので、その辺はそれぞれお子さんに合わせて声がけしてみて下さい。
ちなみに水圧も有りです。
お風呂やプールもオススメ。
3つめは、誤解。
発達の子(大人も)とのコミュニケーションは、とにかく誤解だらけだと私は考えています。
それが良いとか悪いとか、私がお伝えしたいのは そんな次元ではありません。なので どちらか一方を責めているわけでもありません。
事実としてそうだという事です。
現実を受け止めないと改善はできません。
発達の子は、言葉の雰囲気や前後のやり取りやニュアンスを汲み取りづらいという事を、私たちはつい忘れて会話をしてしまうところがありませんか?
本や動画で学んだ時や気持ちに余裕がある時は、先回りして会話できるのですが、こちらもいつもいつも余裕があるわけでもなく、
最初にお伝えしたように、私たち親は心が疲弊している事が多いんですよね。
なので汲み取ってあげる感覚を忘れてしまうケースも多いと思います。
先ほども書きましたが、それを否定するつもりはありません。発達障害の子どもや人と関わっていくのは、色んな感情になります。
いつも穏やかでいる事を目指す方が逆にストレスになるように思います。
ですから私は、基本的に誤解が生じるものと知っておくという事を意識しています。
“相手に期待しない…” という考え方もありますが、ちょっと投げやりというか諦めた感じで寂しい言い方のような気もするので、“必ず誤解が生じると思っておく”というのが私には冷たくない感じのちょうどいい温度感でした。
誤解というのは、『相手が…』という時もあれば、こちらが誤解している事も多々あります。
どちらかが(お互いに)必ず誤解する
という事を会話の想定に入れておく感じです。
これは実は、以前ママ友との関わりの中で意識していたことでもあります。
あの面倒くさい女だらけのママ友グループでも、コミュニケーションが円滑にいったので実践済みのなかなか良い考え方だと自負しています。
6. 発達障害の特性ごと子どもを認めるために
これら3つの事に共通している事は、
発達障害やHSPの特性をダメなものだとしないというメッセージをジワジワ伝えていく事で子どもに安心を渡したい
という思いです。
自己肯定感を高めるという意図もあります。
欠点だから 劣っているから 困るから
だから直さなければ…
この発想だとうまくいきません。
脳の仕組みと私の経験からも断言できます。
否定から望んだことはほぼうまくいかないので、そうではなくて、そんな前提を180度変えて接すると、特性があってもいいか…と段々思えてくるし
その特性がめっちゃ良いじゃん…と少しずつ心情が変化していきます。
そうすると子どもは安心できて挑戦する気になって、その結果また自信になったり安心したり、という好循環が回ります。
どれかがヒットし劇的に変わるというより、一つずつ点を増やし、その点と点がジワジワ繋がっていく感じです。
そしてある時一気にバババッと繋がる瞬間は、その成長や理解力にびっくりする事があります。
7. 今の状態や段階や危険度の見極め
とはいえ、
発達やHSPなどの極端なこだわりや特性があったり、いじめや先生からの理不尽な関わりによって心が傷ついた所からのスタート、そんな不登校の場合は対応も難しいと思います。
というか、私はめちゃめちゃ大変でした。
癇癪なんて落ち着くのを待つしかなかったりしますし、落ち着いたら本人はケロッとしてたりしますよね。
でも発達障害の程度によっては、癇癪後に自己否定になってしまう子もいます。
それはそれで、さらに対応しなければならず…加えて暴れるとなると年齢によってはこちらも恐怖ですよね
癇癪とか暴れるとかはその1回ってことはないので、何回もあります。なので記憶の恐怖もある。
また…っていう精神的な疲れもあるし、当然、身体的な危険もある場合があります。
それでこっちは疲弊してるんですけど、でも対応するしかない…。
いくらカウンセラーさんに相談していても、“その時” は私しかそこにいませんからね…もうヘトヘトになります。
私がお伝えしているのは、長いスパンで対応し変化を待つというものなので、今すぐに危険な状態というケースには当てはまりません。
無念、そして無力を感じる瞬間です。
その場合は各自の判断でという事になる、、これもまたしんどいポイントなんですよね。
8. 子どもに寛容なせいで不登校が増えている論争のバカバカしさ
最近、不登校界隈で『寛容』という言葉を耳にしますよね。
寛容になった方がいいのか、多少でも登校刺激を与えた方がいいのか、そんな二択で議論されているのを見かける事がありました。
親が甘いから
見守っているだけではダメ
甘やかしてるから不登校が増えるとか厳しさも必要とか、何を当たり前のことを…っていう感じです。
私たち不登校の母は、もうそんな事とは向き合い済みです。ケースバイケース、だから悩んだり迷ったり葛藤しているわけです。
今さらすごいところに気付いたかのように、そんなテーマで議論されても…と、正直私は思いました。
説明するまでもありませんが、不登校には色んな理由があるので、中には寛容にせず敢えて登校を促した方が良いケースやタイミングもあります。
ですが、発達障害やHSPや心に傷を抱えてしまった場合の不登校に関しては、優先順位が何よりも大事ということです。
先に安心感(甘え)
その後で自立や復活
復活の時が来ているのに、いつまでも甘えを優先しているというのはその子の自立を妨げていることになります。
つまり正しい知識と優先順位、その後はタイミングを見極める事です。
何も知らない人は、平気で嘘の情報や感情を前面に出して話をしてきます。
私たちは正しい知識と今までの経験で判断し、自分たちで選択していくのみ。お門違いな人の意見は無視でOKです。
9. 言葉の定義と子育ての本質
ちなみに、言葉の定義を間違えている人も多いです。
例えば寛容と甘えと甘やかしの違い。
寛容とは、相手の欠点や失敗を受け入れつつ、成長を期待して尊重する事です。
相手の自立や改善を信じて、時には見守り時には促す、そんな感じの未来に繋がる関わりが基本です。
甘えとは、子どもにとって とても大切なものです。子どもが甘えたい時は甘えさせてあげる事が愛情の一つでもあります。
しっかり甘えた子どもは自然に自律や自立に向かいます。
一方、甘やかしは思考停止で相手の望むままにすることです。
必要な注意や制限を与えるタイミングであるにも関わらず、見守るというそれっぽい言葉の前に思考せず、結果的に依存を助長する事に繋がる事です。
寛容は相手の自由と責任を尊重します。
信じているというのが前提だからです。
甘やかしは責任の所在を曖昧にできてしまうんです。
いやまあそこは親の責任なのですが、その時は痛みがないので気付かずに済みます。
その結果、時が経ち相手の成長を妨げることになった時に、その責任という言葉は刃を向けてきます。
どっちのせい?という刃です。
犯人探しのような自責か他責という極端なものになってしまう…私自身も息子の不登校で通った道です。
寛容と甘やかし…似ていますが、相手の長期的な幸福を考える点で大きく異なります。
今日のテーマである、発達障害やHSPや心に傷を抱えてしまった不登校の場合は、寛容というより先ずは甘えさせてあげるべきです。
先ほどお伝えしましたが、甘えとは甘やかしではないのです。
思考停止で甘えさせてあげたらいいという事ではなく、今は回復のために甘えが必要という考えがあるかどうか、子どもの変化の度に対応を修正しながら向き合う事が大事だなと思います。
そして心が回復した後、寛容に対応を変えていく段階がきたら現実的な話をしていけばいいだけです。
10. 子どもが動き出す時の私たち
発達障害やHSPの子どもが安心感に満たされたら、そこからは自分の特性と一般社会とのズレをどう考えるのか話し合ったり
心の傷が回復したなら、少しずつ社会復帰していく準備を始めたり
自分の人生を生きていくためのスタートラインに立った時の対応に変えていく感じです。
今日お伝えした3つの対策は、安心感を満たすためのものです。
で、それを私たちがするわけなので、私たちの安心感が満たされていないとそんな事は到底できないんですよね。
子どもに安心感を与えたい人が不安で一杯だったら、何を渡せるの?って事ですからね。
だから、心の整理をオススメしています。
noteやインスタで発信したり、電話相談や動画講座でその方法をお伝えしたりするのは、心を整えておく事は子どもとの関わりでも役に立つ事だからです。
自分と向き合って心を整えていく中で、安心感や自信が戻ってきます。その感覚を今度は子どもにも渡してあげられる。
遠回りなようで一番確実です。
\何と言っても/
心の整理で自分も落ち着いてくるし子どもにも安心をあげられるという、二人同時に良くなっていくところが、この考え方の最高なところです。
という事で、
①言語化のお手伝いをする
②皮膚感覚を鍛える
③誤解があるという前提で関わる
これら3つの対策を意識しつつ、まずは、あなた自身の安心感を戻すことを優先してみて下さい。
それではまた。
11. 発達障害について簡単に解説
発達障害は生まれつきの脳機能の凸凹により、行動や認知に特性が現れる状態を指します。
主な発達障害には、
・自閉スペクトラム症(ASD)
・注意欠如・多動症(ADHD)
・学習障害(LD)
などがあります。
・自閉スペクトラム症(ASD)
ASDの方は、社会的コミュニケーションや対人関係の構築に困難を抱えることがあります。例えば、相手の表情や態度よりも、文字や図形、物に強い関心を示すことがあります。これは、見通しの立たない状況で不安を感じやすい一方、見通しが立つときにはきっちりと対応できる特性とも関連しています。 この特性は、まるで特定の周波数にだけチューニングされたラジオのように、特定の情報には敏感に反応しますが、他の情報には気づきにくい状態と例えられます。
・注意欠如・多動症(ADHD)
ADHDは、不注意、多動性、衝動性が主な特徴です。不注意優勢型では、気が逸れやすく、活動に集中できないことが多いです。多動・衝動優勢型では、常に動いていたり、椅子に座っていられないことがあります。これらの特性は、まるでリモコンのボタンを次々と押してチャンネルを変えるテレビのように、一つのことに集中し続けるのが難しい状態と例えられます。
・学習障害(LD)
LDは、知的発達には問題がないものの、読む、書く、計算するなど特定の学習分野で困難を抱える状態です。例えば、読字障害では、ひらがなの音読が遅かったり、読み間違えることがあります。これは、まるで最新のコンピュータを持っていても、特定のソフトウェアだけがうまく動作しないような状態と例えられます。
これらの特性は個人差が大きく、複数の特性が重なる場合もあります。周囲の理解と適切なサポートが、発達障害のある方々の生活の質を向上させる鍵となります。
以前「アスペルガー症候群」と呼ばれていたものは、現在は**自閉スペクトラム症(ASD: Autism Spectrum Disorder)**に統合されています。これは、アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5, 2013年改訂)に基づく変更です。