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奏でるカラダと命に涙。。。

こんばんは。りんごりんです🍎

noteの世界でさまざまなnoterさんの記事を拝見し、自分の文章力のみならず、人間力の至らなさを痛感する今日このごろ。

お世話になっているnoterさんの記事を、何か自分なりにアーカイブできないか・・・と思っていたところ、マガジンへコレクションするワザを覚えまして。

遅ればせながら、フォローさせていただいているnoterさんを中心に、スキだな、後で読み返したいな、礎(いしずえ)にしたいな、と思う記事を勝手にマガジンに追加させていただいております。


その過程で、フォローさせていただいている「すーさん日記@いちおう太鼓たたき」さんの記事に、それはそれは震える記事を見つけてしまい、耐えきれなくなって私の駄文と共にご紹介させていただきます。

それが、こちら↓


先日亡くなられた、世界的作曲家の坂本龍一さん。
数々の映画音楽を作曲されたことでも有名ですが、あの北野武さん、デビッド・ボウイさんと共に、自ら俳優もされていたことがあります。

かの大島渚監督がメガホンをとり、日本、英国、オーストラリア、ニュージーランドの合作で、1983年に発表された映画「戦場のメリークリスマス」
坂本龍一さんは、俳優として出演しながら映画音楽も担当し、英国アカデミー賞で作曲賞も受賞しました。

そのテーマ曲がこの、"Merry Christmas Mr.Lawrence" 
「メリー・クリスマス ミスターロレンス」

映画のまさに最後の場面で、北野武演じるハラ軍曹が、立ち去ろうとするロレンス中佐に呼びかけるのがこの言葉。
ハラ軍曹は戦犯として、この面会の翌日、処刑されます。

詳しくはウィキペディアに載っていますが、このときの映画音楽を坂本さんは、「どこでもないどこか」「いつでもない時間」をコンセプトに作曲されたそうです。

だからこその、いつどこで誰が聴いても、心に染み入るし、映画を見たことのある方は鮮やかに思い出すのでしょう。


前置きが長くなりましたが、この映画が発表された1983年から、世界各地であらゆる演奏家に奏でられてきたこの楽曲ですが、坂本さんご自身も幾度となく、この曲をピアノで奏でてきました。

若い頃の演奏はこんな感じ↓ エネルギーあふれてますよね


壮年期。歌い方と音の響かせ方、表情に円熟味を感じる

他にも数々の教授ご自身の演奏が残っています。ぜひご覧ください。


作曲だけ行い、ご自身では演奏されない作曲家さんもたくさんいらっしゃると思いますが、作曲されたご本人の演奏を、長年にわたり聴き続けられた曲。


こうした数々の演奏を経て、まさに「最期」の演奏が、上記の記事のもの。


始めの一音がもう、今まで私の知っていた演奏とは全く違う。

空気の粒がかろうじて、形をつくって生まれたような。

今にも、消えてしまいそうな。

その、消えそうな、それでいて限りなく透明で澄んだ一音、一音が、あの有名なメロディーを奏で始めたとき、もう目がそらせなくなっていました。


ユーチューブなので途中で辞めることも、また見返すこともできるのに、「最後まで見届けなければ」という気持ちに駆り立てられ
教授(坂本さんの愛称)の奏でる一音、一音を、弾いてほしいような、でも弾いてしまうと曲が終わりに近づくのでこのまま指を止めて永遠に聞かせてほしいような、そんなぐちゃぐちゃな気持ちで聴いていました。

そして、初めはピアノの陰になっていた教授の両手を見たとき。

手の甲に浮き上がる腱を、細く乾燥した指先を、かすかに震えるタッチを見たとき。

かつての体幹はもうそこにはなく、病に蝕まれていまにも地上から飛び立っていきそうなのに、これまで重ねてきた彼とこの曲との確かな時間だけが、そこに音を留めているような演奏に、涙が止まりませんでした。


けれども、もう、彼の今の体では、彼の指先では、大きな音を響かせることはできない。
彼の衰弱を見て、私は勝手にそう思い込んでいました。


ところが、中盤の低音が鳴り響く部分から、
ピアノが深く、広く、歌い始めるのです。

もちろん、若い時や油が乗りきっているときの歌い方とは違います。
でも、この指から鳴らせるのは奇跡と思えるような音で、ピアノが歌うのです。


それはひとえに、彼が一生をかけてこの曲と深く結びついてきたからに他ありません。

そして、彼の表情の嬉しそうなこと。
「ああ、奏でられるのが楽しかったから、教授は最期まで音楽をやめなかったんだ」
そう思いました。


最後に、魂をすべて注ぎ込むような表情で、ピアノの鍵盤を深く重ねる教授。
体中からほとばしるような「祈り」


「音楽に愛された」「音楽のために生まれてきた」
さまざまな形容詞はつくと思いますが


これほど最期まで純粋に、「音楽を自分のからだで奏でる」喜びと生き様を見せてくれた音楽家として、心から坂本龍一さんに感謝と、敬意と、哀悼の気持ちを捧げたいと思います。

本当は、「初夏なんだから初夏らしい曲の話を」とか「一周忌のタイミングにしたほうが」とかいろいろ考えましたが、
感動がフレッシュなうちに一気にまとめたほうがいいと思い、こんな記事になりました。

お読みくださった皆様、ありがとうございます。


そして、動画をご紹介下さった「すーさん日記@いちおう太鼓たたき」さん、
トップのステキな作品をお借りしましたyukihi6さん、心より御礼申し上げます。


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